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2021.07.27RESEARCH

コロナ禍で増える「UIターン」希望者。その理由は?

 20代の働き方研究所

「働く場所」の選択肢が広がっています。東京都の人口が「転出超過」になったという報道もあるように、地方への移住を検討する人が増加傾向です。「地方への移住」「UIターン」は、コロナ禍のテレワーク普及やDX化の推進、あるいは自由な移動が制限されるという実体験を通じて大きく後押しされたと考えられます。生活様式の変化は、「地方での転職」を志す大きなきっかけとなっています。

「地方への移住」「UIターン」について、20代はどのように感じているのでしょうか。20代438名が回答したアンケート調査をもとに紐解いてみましょう。

■4割以上の20代が「UIターンや地方での転職」を希望

「UIターンや地方での転職」を希望すると回答した20代転職希望者は、41.7%でした。2020年4月に実施した同調査と比較すると、5.6ポイント増加。コロナ禍で、「UIターンや地方での転職」を希望する20代が増加していることが分かります。
 

■新型コロナウイルスの感染拡大が「地方での転職」需要を押し上げる

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「より地方での転職を希望するようになった」や、「どちらかと言うと地方での転職を希望するようになった」と回答した20代は38.2%に上りました。約4割の20代が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「地方での転職」に積極的になっていることが分かります。
一方、「地方での転職に慎重になった」「どちらかと言うと地方での転職に慎重になった」の回答は12.1%に留まり、「地方での転職を希望するようになった」が「慎重になった」を26.1ポイント上回る結果となりました。

■地方での転職希望理由の1位は「必ずしも都市部に住んでいる必要を感じなくなったから」

「UIターンや地方での転職」を希望する理由は、「必ずしも都市部に住んでいる必要を感じなくなったから」が37.8%で最多。次いで、「地元に帰りたいから」34.4%、「テレワークで場所を選ばずに仕事ができることが分かったから」30.0%と続きます。

場所に縛られることなく働けるさまざまな仕組みが整ったことで、都市部に住む意義があらためて見直されることとなりました。その結果、本当に働きたい場所として、「地方」という選択肢が浮上しているようです。

■住む場所の希望は、「都市部に住みたい」59.1%、「地方に住みたい」33.5%

住む場所・働き方の希望については、「都市部に住み、出社とテレワークを組み合わせて仕事をしたい」が33.0%で最多。次いで、「都市部に住み、都市部の企業に出社したい」19.4%、「地方に住み、出社とテレワークを組み合わせて仕事をしたい」14.3%と続きます。住む場所の希望については、「都市部に住みたい」59.1%、「地方に住みたい」33.5%となっています。
「働き方」の変化が「住む場所」に関する希望にも変化をもたらしていると推察されます。

<調査概要>
・調査対象:[20代専門]転職サイト「Re就活」へのサイト来訪者
・調査方法:「Re就活」にアクセスしたサイト来訪者に、アンケートのポップアップを表示
・調査期間:2021年4月16日~2021年4月30日
・有効回答数:438名

■研究員の視点

複数回にわたる緊急事態宣言の発出を受けて、「都市部で暮らすこと」の意味が見直されるようになりました。コロナ禍で推進され、定着してきたテレワークなどの「働き方」の変化や、店舗の休業・営業時間の短縮を伴う外出自粛要請により、「必ずしも、都心で暮らす必要はない」と考える20代も増えているようです。
コロナ禍で様々なことが変化するなか「人とのつながり」や「家族」の大切さが再認識され、仕事においても柔軟な働き方や時間の有効活用が重視されるようになってきました。「豊かさ」の定義・価値観の変化に、オンラインでできることが大幅に拡大したことも重なり、地方の暮らしを希望する20代が多いのではないかと推察されます。
「住む場所と働く場所」が一致しなくても仕事ができる環境が整備されつつある今、「どう働くか」「どう暮らすか」を、以前より、自ら選択できるようになっています。自分にとっての「豊かさ」とは何か、あらためて考えてみるのもいいかもしれません。

この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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