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2021.07.27RESEARCH

都市部に住みながら地方・地域への貢献も。コロナ禍で「副業UIターン」への注目が高まる

 20代の働き方研究所

 今、「副業UIターン」が盛り上がりを見せています。「副業UIターン」は都市部に住みながら、「副業」で地方企業の仕事をする働き方。コロナ禍で、「副業」と「UIターン」双方のニーズが高まるなか、注目が高まっています。

「副業」を希望し「副業UIターン」を始める人は、せっかく本業以外の仕事をするのであれば、「社会貢献性の高い仕事をしたい」「地方に貢献したい」といった思いがモチベーションになっているようです。
一方、「UIターン」を希望し「副業UIターン」を始める人は、「UIターン」に興味を持っていても、コロナ禍では都道府県をまたぐ移動が難しいことを背景に、「まずはリモートで仕事をし、関係構築したい」と考えているようです。

「UIターン」というと通常、地方への転居をともなう就職や転職を指します。しかし「副業UIターン」の多くはリモートワークであるため、都市部にいながら地方の仕事を受けることができます。生活拠点を移すことなく、副業として気軽に始められ、同時に「UIターン」のように地方・地域に貢献できる。「始めやすさ」や「得られるものの大きさ」から、注目を集めています。

さらに、ITなど専門性の高い業務への対応が課題であった地方企業や団体側からのニーズも高まりつつあるようです。一部自治体では、地域経済活性化にもつながるとして、都市部人材と県内の中小企業のマッチング事業も開始されています。

こうした新たな取り組みに対して、20代はどのように感じているのでしょうか。20代506名が回答したアンケート調査をもとに見てみましょう。

■半数以上の20代が「副業UIターン」で働くことに意欲的

「リモートで地方の企業・団体の仕事をする『副業UIターン』の形式で働いてみたいですか?」という質問では、「とても働いてみたい」の回答が19.0%、「やや働いてみたい」の回答が35.6%に上りました。半数以上の人が「副業UIターン」の形態で働くことに意欲的であることが分かります。

■「副業UIターン」で働いてみたい理由の2位は「地域貢献」。1位は?

「副業UIターン」で働いてみたいと思う理由は、1位「リモートでの副業で、スキルを身に付けたいから」39.1%、次いで2位「地域に貢献したいから」34.8%となりました。「コロナ禍で住む場所を見直したいと思うようになったから」26.8%や、「UIターンを視野に入れているから」26.1%も回答を集めており、将来の「UIターン」を見据えて「副業UIターン」に取り組みたいと考える20代が多いことも推察されます。

■「副業UIターン」で参画してみたい事業は「○○や○○に関わる事業」​​​​​​

「副業UIターン」で参画してみたい事業は、「観光や地域振興に関わる事業」が40.0%で最多。次いで、「ITや情報通信に関わる事業」29.5%、「特色ある製品を製造するメーカーの事業」23.0%と続きます。

地方経済の活性化に直接つながる「観光や地域振興に関わる事業」を希望する人が多いようです。他にも、ITやメーカーなど、専門性を発揮することのできる事業への関心の高さも伺えます。

■「副業UIターン」で取り組みたい仕事は専門性の高い業務だけではなく…

「副業UIターン」で取り組みたい仕事は、「事務関連・ビジネス文書作成」が32.9%で最多。次いで、「Web関連(Web制作・サイト運営)」31.7%、「SNS運用」28.1%、「マーケティング関連」26.1%と続きました。

Web関連やマーケティングなどの専門性の高い仕事が上位になる一方、「事務関連・ビジネス文書作成」のように幅広い職種で求められる業務も多くの回答を集める結果となりました。

<調査概要>
・調査対象:[20代専門]転職サイト「Re就活」へのサイト来訪者
・調査方法:「Re就活」にアクセスしたサイト来訪者に、アンケートのポップアップを表示
・調査期間:2021年3月9日~2021年3月22日
・有効回答数:506

■研究員の視点

今回の調査では、多くの人が「副業UIターン」に対して、地域への貢献や、本業では得られないスキルの獲得、やりがいなどを求めている様子が伺えました。「将来的に移住することを見据えて、ビジネスでのつながりを持っておきたい」「移住はハードルが高い、でも地方の活性化につながるような取り組みはしたい」と考える人にとって、「副業UIターン」は有力な選択肢となるのではないでしょうか。
また、「地方ならではの、豊かな人のつながりを得られる」「故郷や、何度も訪れたいと思う地域が増える」「若い世代ならではの感性や、地域の外(都市部)に住んでいるからこその視点を強みに仕事をするこができる」など、普通の「副業」ではなく「副業UIターン」だからこそ得られるメリットもあります。
必ずしも、「地方で働く」=「地方に住む」ではなくなった今、「副業UIターン」を通して地方に目を向けてみると、自分が想像していなかった理想的な働き方に出会えるかもしれません。

この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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