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2021.07.27RESEARCH

コロナ禍で20代の「通勤時間」への考え方が変化?テレワークを経験し、希望が増加したのは「郊外」?それとも「都心」?

 20代の働き方研究所
新型コロナウイルスの感染拡大により「通勤」の在り方は大きく変わりました。在宅勤務や時差出勤など、人との接触を避けることが推奨され、多くの会社で実践されています。そうした「働き方」の変化にともない、「通勤」に対する考え方も変わってきているようです。

では、実際にコロナ禍で20代の意識はどのように変わったのでしょうか。「通勤時間」、そして通勤時間と切り離せない「住む場所」という観点から掘り下げてみたいと思います。20代427名が回答したアンケート調査をもとに見てみましょう。

■希望する通勤時間2位は「30分~45分」、3位は「45分~1時間」。1位は…?

希望の通勤時間は、「15分~30分」が32.1%で最多。次いで、「30分~45分」26.7%、「45分~1時間」24.8%と続きます。20代の約4割が、「通勤時間30分以内」を希望していることが分かります。また、「通勤時間1時間以内」を希望する20代は約9割に上りました。


片道30分の通勤時間でも、週5日出勤する場合は、約5時間を「移動」に費やすことになります。また、通勤時間にできることは限られるため、時間を有効活用するという点で長時間の通勤はデメリットととらえる20代も少なくないと考えられます。
 
一方、30分~1時間を希望する20代からは、通勤時間を勉強など自己研鑽の時間にあてて自分なりに充実させる、気持ちのオン・オフを切り替える時間として過ごすなど、前向きにとらえる声も多く寄せられました。

■通勤の考え方にも変化

「通勤」に関する考え方や捉え方は、テレワーク経験の有無によっても異なることが分かりました。テレワーク経験のある20代は、32.0%が「(新型コロナウイルスの影響を受け)通勤時間を短くしたいと思うようになった」と回答。一方、テレワークを経験していない20代の同回答は、24.1%に留まりました。
テレワーク経験のある20代のほうが、「通勤時間を短くしたい」と考えている割合が高く、テレワークで「通勤時間のない生活」を経験することで、「通勤」への考え方にも変化が生じていると推察されます。

■「都心に住みたい」テレワーク経験者の半数近く

住む場所や住環境について、テレワークを経験している20代の49.0%が、「プライベートを含めた便利さ重視で都心に住みたい」「どちらかと言えば、プライベートを含めた便利さ重視で都心に住みたい」と回答。「家の快適さ重視で郊外に住みたい」「どちらかと言えば、家の快適さ重視で郊外に住みたい」の回答は33.3%に留まり、「都心に住みたい」が「郊外に住みたい」を15.7ポイント上回りました。
テレワークを実施し、オフィスに出社する機会が減少すると「郊外」に住むことを検討する人が多いとも言われていますが、調査結果によると20代はテレワークを実施する場合でも、「都心」に住むことを希望する人が多い様子が伺えます。


<調査概要
・調査対象:[20代専門]転職サイト「Re就活」へのサイト来訪者
・調査方法:「Re就活」にアクセスしたサイト来訪者に、アンケートのポップアップを表示
・調査期間:2021年4月30日~2021年5月10日
・有効回答数:427名

■研究員の視点

コロナ禍でテレワークや時差出勤が推奨され、「通勤時間のない生活」「満員電車でない通勤」を都市部に住む多くの人が経験することになりました。これまでと異なる「働き方」を経験することで、「通勤」に対する考え方も少しずつ変わってきています。
20代の働き方研究所でも、これまでは何の疑問もなく通勤に1時間かけていたものの、テレワークを経験し「通勤時間」が時間のロスになっていることを感じ、20分以内で通える場所に引っ越したという研究員もいます。通勤時間のない生活を経験することで、その時間を短縮したいと考える人もいる一方、「通勤」が気持ちの切り替えに一役買っていると感じた人もいるようです。
通勤時間は、おそらく生活の中でも数少ない一人になれる時間。その時間をどのようにとらえ、どのように過ごすか。通勤時間の良し悪しは、「長さ」だけで測れるわけではありません。そこで自分がどのような時間を過ごすのかも、これからの「働き方」を考える上で大切なのかもしれません。

この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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