20代の「働く」に
もっと自由な選択を

この記事をシェアする

  • FOCUS
  • 増えるフリーランス。フリーランスとして働く際のポイントは?
  • FOCUS
  • 増えるフリーランス。フリーランスとして働く際のポイントは?
2021.07.27FOCUS

増えるフリーランス。フリーランスとして働く際のポイントは?

20代の働き方研究所 研究員 T.H

フリーランス人口増加の理由とは?

フリーランス増加の背景には、いくつかの理由が考えられます。ここでは代表的なものをご紹介します。

・副業の解禁
政府の方針により、副業が積極的に推進されることとなりました。そうした副業の延長として、フリーランスが位置づけられることも多いようです。副業人口の増加が、次のステップとしてのフリーランス人口の増加にも影響していることが考えられます。まずは副業から始め、ゆくゆくはフリーランスとして独立、というキャリアパスがこれから増えていくかもしれません。

・フリーランス向けのサービスの普及
クラウドソーシングやエージェントサービスの普及も大きな要因です。フリーランスに関心を持つ人が増え、社会的に認知度が高まることで、さまざまな支援サービスが充実してきました。こうしたフリーランスにとってのインフラが整い、より手軽に始められるようになったことから、フリーランス人口の裾野は広がりを見せているようです。

・ワークスタイルの変化
年功序列や終身雇用などかつての日本特有の働き方から、グローバルスタンダードな流動性の高い雇用環境へシフトしつつあります。さらにコロナ禍におけるテレワークの普及により、「出勤が必須かどうか」についても大きく見直されることとなりました。こうした社会変容の中で、「新たな働き方」の流れの1つとして、フリーランスが捉えられていることも考えられます。

フリーランスの契約形態

会社員は、特定の企業や団体と「雇用契約」を結びますが、フリーランスの場合は「案件」ごとに契約を結びます。企業と仕事を請け負う人の間で、雇用契約は結ばれないので、フリーランスは原則「労働者」には含まれません。「労働時間」や「休日」の規定、「最低賃金」の概念もないので、自分自身で受ける案件の報酬やスケジュールを確認し交渉していく必要があります。

フリーランスとして働く人が多い職種

・ライター、編集者
・ITエンジニア
・Webエンジニア
・Webデザイナー
・デザイナー
・オンライン秘書
・カウンセラー

フリーランスは、「案件」ごとに契約を結ぶため、これまでの経験やスキル、またはクリエイティブな発想力など、「個人」の力を発揮できる職種が多い傾向です。逆に、製造業や金融業など、「大きな組織」として仕事をする方が効率的なビジネス形態とはあまり相性がよくないといえるかもしれません。

フリーランスとして働くメリット

・ 自分の裁量で仕事ができる
時間や場所、あるいは仕事の進め方など、多くのことを自分の裁量で決められるようになります。さらに実績を積み、実力が広く認められれば、自分から仕事を選ぶことも夢ではありません。自分次第で働き方の自由度を高めていくこともできるのもフリーランスならではの魅力です。

・ 得意なことや興味のあることを活かして仕事ができる
個人の知識やスキルを発揮しやすいフリーランスであれば、ある程度自分の得意分野に絞って仕事をすることができます。さらに、興味のある分野を深めることが、仕事のスキルアップにつながることも大きなメリットといえます。

・ 自由度が高く、ストレスが少ない
組織に所属していないため、さまざまな“縛り”によるストレスが軽減できるのも魅力の一つ。複数人が常に職場で居合せるということがないため、人間関係のトラブルなどが起こる機会も少なくなるかもしれません。

フリーランスとして働く際に注意したいポイント

・ スケジュール管理や健康管理
労働時間や休日休暇は自分で決めて、管理する必要があります。また万が一、体調を崩し、業務に支障をきたしたことで納期が守れないとなれば、場合によっては信用を失うことにもつながりかねません。制約が少ない分、スケジュールや健康面などに無理が生じないよう、自己管理意識を強く持つことが求められます。

・ 報酬や条件などを自分で交渉することが必要
個人で仕事をするため、案件ごとに報酬や条件を交渉する場面があります。依頼者と自分自身、どちらか一方に利害が偏らないよう、うまく調整するスキルも求められます。依頼されたものを納めるだけでなく、自分が納得できる条件で契約を勝ち取るまでがフリーランスの仕事と言えます。

・ ローンなどを組みにくくなる
会社員に比べ、毎月の収入が安定しないこともあり、フリーランスの社会的信用はまだまだ低いのが現状です。金融機関や審査会社からの信用が低いとローンが組めない、クレジットカードが作れないなど生活面で様々な影響を受け、何かと不便に感じる事もあるかもしれません。

フリーランスとして働くにあたって必要な手続き

・開業届の提出
・青色申告承認申請書の提出
・国民健康保険への加入
・国民年金の手続き
・確定申告の準備

役所へのさまざまな書類の提出、仕事をする上で必要な備品の用意……。多くの場合、企業側が対応しているそうした手続きをフリーランスは自分自身で行う必要があります。フリーランスは実務だけでなく、あらゆる手続きも担う必要があることを認識しておかなければなりません。

まとめ

フリーランスは専門性の高いスキルを提供することで報酬を得る働き方です。逆に言えば経験やスキルが全くない状態で始めるのは危険です。現状、スキルを持ち合わせていない場合は、フリーランスになることを見据え、経験やスキルを蓄えた上で始めるようにしましょう。
また、フリーランスは自分から仕事を獲得していく姿勢が必要になります。そのため「できることの発信」と「人脈」が不可欠です。SNSで発信し、「何ができるか」を認知してもらったり、勉強会、交流会などイベントに足を運び、将来のパートナーを見つけるなどの働きかけが重要となります。
20代は若いこともあり、いろんな意味で挑戦がしやすい状況にあります。しかし、クレジットカードやローンなどの各種審査を通りにくくなるなどのリスクもついて回ります。次のキャリアとしてフリーランスを考えるのであれば、事前に一定の貯金をしておくなど、現実的な「備え」にも目を向けることが必要かもしれません。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 T.H

1991年5月生まれ。
大学卒業後、就職情報会社にクリエイターとして入社。以降、規模や業種を問わずさまざまな企業の採用サイトやパンフレットなどを制作。モットーは「ユーザー起点」。20代の働き方研究所では、記事執筆のほかコンテンツ制作も担当。休日の過ごし方は読書と古着屋巡り。 
#コンテンツディレクション #社会課題の可視化 #現代アート

この記事をシェアする