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2023.04.07FOCUS

注目ワード「パラレルキャリア」とは?副業との違い、具体例や進め方、おすすめの理由など徹底解説

20代の働き方研究所 研究員 A.F
パラレルキャリアは、終身雇用が当たり前でなくなりつつあることや、フリーランス、副業など多様な働き方が広がりつつあることを受け、働き方の一つとして注目を集めています。
パラレルキャリアの具体例やメリットなどを参考に、ご自身の境遇にマッチするパラレルキャリアについて模索してみましょう。

パラレルキャリアとは?

パラレルキャリアとは「本業を持ちながら、第二の活動をすること」です。この概念はもともと、経営学者のピーター・ドラッカーが『明日を支配するもの』という著書で提唱した生き方やキャリアに関する思考に由来しています。日本でも近年は、終身雇用制度で定年まで働くという時代ではなくなりつつあり、パラレルキャリアへの注目が集まっています。

▼パラレルキャリアの具体例


パラレルキャリアの特徴は、自発的な興味が根源にあります。起業やスキルアップでは、現在のスキルを伸ばしたり、新しい能力を取得したりすることで仕事につなげていくという傾向があります。自己表現や社会への貢献、趣味の強化では、必ずしも報酬につながるという意図でない活動も多いものの、経験を積むことで報酬へつながるというパターンもあります。

パラレルキャリアと副業の違い

▼パラレルキャリア
自分のスキルアップや夢の実現、社会貢献が目的

▼副業
金銭的な報酬を得ることが目的

パラレルキャリアとよく比較されるのが「副業」です。副業は、本業の就業時間外で行う仕事のことで、パラレルキャリアとの大きな違いは「金銭的な報酬」を目的としているかどうかという点です。パラレルキャリアには、お金では買えない価値を得られるものも含まれています。
 

パラレルキャリアが注目を集めている背景

社会環境の変化にともない多様な働き方や人生設計が生まれている昨今、これまでのような「新卒で入社した会社で勤め上げて定年退職を迎える」といった、本業を一本柱とする価値観が見直され始めている点があります。
それに加え「好きなこと」を仕事にする方や、プロボノ活動※、複業・兼業など多種多様なキャリア形成を理想とする方が年々増えて来ていることも背景にあります。

※プロボノ:プロボノとは、公共への善意を意味する「Pro Bono Publico」の頭文字をとった言葉で、自身の専門知識やスキルを社会貢献のために生かす活動を示す。 
 

パラレルキャリアのメリット

・今後のキャリアのリスクヘッジになる
・やりたかったことが実現できる
・本業にスキルを生かせる
・人脈が広がる
・若くして所得が上がる可能性がある


パラレルキャリアは、取り組むことで人生を充実させることができるメリットがあります。ここでは、主な利点5つについて詳しく解説します。

今後のキャリアのリスクヘッジになる
就職先の経営悪化や破綻により、従業員が解雇になってしまうという状況はどの業界でも起こりうる事態です。パラレルキャリアの考え方を持っていれば、趣味として取り組んでいることや、興味関心がある分野への取り組みから、新しい仕事のチャンスが生まれる可能性も広がるでしょう。

やりたかったことが実現できる
学校を卒業して、就職したものの本当にやりたかった仕事でなかったというミスマッチも想定できます。パラレルキャリアの思想では、本業を持ちながら第二の活動として本来やりたかった事柄にも向き合うことができます。

本業にスキルを生かせる
パラレルキャリアの考え方の中に自分への投資があります。新しいスキルの開拓や、語学力取得、IT技術の構築など、本業と並行して教養を身につけていくことで、本業への理解も深まりキャリアアップの近道にもなります。

人脈が広がる
パラレルキャリアを考える中で、コミュニティのつながりを無視するわけにはいきません。「社会に貢献したい」「学びたい」「好きなこと・興味のあることに取り組みたい」といった自発的な高いモチベーションによって構築されたグループでは、専門分野やスキルを有する人脈とのつながりも深くなります。

若くして所得が上がる可能性がある
パラレルキャリアを成功させている人の中には、これまでにない手段で若くして収入アップを叶えた例も数々見られます。YouTuberなど、自身のカリスマ性や独自性を生かして活動する人が近年増えているのは、特筆した事例と言えるでしょう。
 

早期からパラレルキャリアを始めるべき理由

働き方改革が促進されている現代ではありますが、まだまだ出産育児・介護による休職や退職後の復職、感染症流行による情勢の変化といった予測不可能な事態によるキャリアの再形成など、現代のビジネスパーソンが置かれている状況はハードな側面も少なくありません。
そこで、早期からパラレルキャリアを始め、本業以外でも収入源や外部とのつながりを持てるようにするのがおすすめです。本業以外にもご自身の居場所を持つことで、精神的な余裕を保つこともできることでしょう。
 

パラレルキャリアを始めるための手順

1. 自分のやりたいことをリスト化する
2. 実現に向けて環境を用意する
3. スキルの勉強を始める


パラレルキャリアをいざ始めようと思っても、そもそも何から手をつけるべきか見当がつかないのも事実。そこで、パラレルキャリアを始めるための手順について1から3までのステップで解説します。

1. 自分のやりたいことをリスト化する
ご自身のやりたいことや好きなこと、興味のあること、気になっていたことなど、自由に書き出してみましょう。なかなか思いつかない人は、「お金を気にしないでいいとしたら、何がしたい?」「これまでに時間を忘れるほど熱中したことは?」など、自分自身に問いかけをしてみてください。思いついたことは、どんなに小さなことでも構いませんので、素直に書き出してみましょう。

2. 実現に向けて環境を用意する
やりたいことが見つかったら、実現するための環境を用意しましょう。もし、一人でやりたいという強い願望がなく、自分がやりたいことに取り組んでいるグループや団体があるのであれば、所属することをおすすめします。企業のワークショップに参加するのもよいでしょう。また、家族と暮らしている方は、家族の理解を得ることも実現のために重要です。

3. スキルの勉強を始める
さて、環境が用意できたら、次はスキルの獲得が必要になります。勉強する方法は独学でもいいですし、スクールなどに通うのも一つの手です。自分に合う方法を選べば問題ありませんが、費用だけを基準に判断するのはおすすめしません。勉強代がかかったとしても身に付くのが早ければ、すぐに仕事を始めたり、キャリア形成が加速したりします。パラレルキャリアを始めるにあたって、あなた自身に合った方法をしっかりと選びましょう。

パラレルキャリアに取り組むうえでの注意点

・自由時間も確保する
・はじめは報酬をあてにしない
・結果を出すために継続する
・本業をおろそかにしない
・副業と誤解されそうな場合は説明しておく


同時並行で多くのことに取り組む分、時間や金銭面では表裏一体のメリット・デメリットが生じます。何よりも自分自身に負担がかかりすぎて、全てが中途半端にならないように、それぞれのポイントを踏まえた計画性が求められるといえるでしょう。

パラレルキャリアに夢中になるあまり、本業をおろそかにすると会社に悪影響が出る場合もあります。パラレルキャリアで報酬を得るケースでは、副業扱いとなることもあるため、副業NGな会社に勤めている場合は、会社の規則を確認し許可を得る必要があります。税制面などについても把握しておきましょう。
 

パラレルキャリアで豊かなライフスタイルを手に入れよう

パラレルキャリアでの活動は、そこでしか得られないスキルや経験、知識、人脈などを得る貴重な機会です。必ずしも収入を得られるものではありませんが、将来の財産としてきっと役立つものになるはずです。

また、本業に依存しないキャリアを築くことで、変化の激しい現代社会においても、柔軟で主体的なキャリアの選択ができるようになるでしょう。
 

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 A.F

新卒・未経験からSEとしてキャリアをスタート。4年ほど働いたところで、プログラムを動かすコードより人間の心を動かす文章の方が書きたくなり、転職。2023年2月に株式会社学情に入社し、現在はオウンドメディア「人事の図書館」にてSEO対策記事の執筆・校正を担当、人事採用関連の記事を170本以上公開。自社メディア「20代の働き方研究所」でインタビュー記事も担当。

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