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2022.06.08FOCUS

【渦中の人に聞く】自分の名前で「複業」をする未来のために、本業×副業で広報スキルを磨いていく

20代の働き方研究所 研究員 E.S.

多様な働き方が広がる中で、「フリーランスとして活躍したい」「独立したい」と考える人も増えてきているかと思います。将来はフリーランスとして、「自分の名前で仕事をすること」を目標に、本業である株式会社favyでの広報業務の傍ら、副業でも広報業務を担っている倉田 鮎美(くらた あゆみ)さんにお話しを伺いました。社内での異動、転職、副業と、目標のためにキャリアの選択を重ねていかれている過程や、副業への取り組まれ方から、希望するキャリアの築き方のヒントを探ります。

広報として経験を積んでいきたい

ー一度転職されているということですが、まずは、これまでのご経歴を教えていただけますか? 

新卒で大手のブライダル会社に入社し、スタイリストを3年間経験しました。もともとアナウンサー志望だったので「何かを伝える仕事」への憧れがあり、入社当時からゆくゆくは広報として仕事をしたいという思いを持っていたんです。広報は人数の多い部署ではないので、希望しているだけでは、なかなかチャンスはめぐってきません。実績を作ることがアピールに繋がると思い、2年目のときにサロンでのイベントを企画しました。イベントでの企画力やその実績が評価され、4年目に広報へ異動。異動後は、社外広報の業務を中心に、新店舗のレセプション・プレスリリース作成・メディア対応・SNS運用など幅広い業務を担当しました。

ブライダルという業界も、ドレスという商品も、会社の雰囲気も好きでしたが、もっと広報として経験を積みたいという気持ちがだんだんと芽生えてきたんです。「ターゲットの広い商材のPRを経験したい」「個人だけでなく法人にも働きかける広報をしたい」と思い、転職を考えるようになりました。

ー転職の際に、favyへの入社を決められた背景には、どのような理由があったのでしょうか?

転職で重視していた点は、2つあります。1つは、「柔軟な働き方ができるか」です。広報として経験を積むために、「副業」にも取り組みたいと考えていました。「副業」の制度があるだけでなく、リモートワークやフレックスタイム制など、働き方を自身でコントロールできる環境で仕事をしたいと思い、ベンチャー企業やスタートアップを中心に見ていました。

2つ目は、「自身が商品を好きになれるか」です。商品や会社のことを「伝える」仕事ですから、自身が商品やサービスに興味を持ち、好きになれることが大切だと思っています。食べることが好きだったので、飲食店のサブスクプラットフォームの運営や、店舗のDX支援を担うfavyへの入社を決めました。

ー大手からベンチャー企業に転職をされて、ギャップはなかったですか?

会社の雰囲気という面では、ギャップはありませんでした。favyは、選考の中で「1日体験入社」があるんです。私は、広報のポジションで選考を受けていたので、リリースを作成して、1日の終わりに発表するという体験をしました。「1日体験入社」のなかで会社の雰囲気を知ることができたのは、入社を決める上で大きかったです。

ただ、仕事の進め方では大きなギャップがありました。前職では、リリースを作成してから実際に発表するまで、先輩、上司、さらに部門の責任者…と複数人の確認を経ていたのですが、favyではリリース作成から発表までのスピードがとにかく速いんです。どんどん新しい事業やプロダクトが生まれているので、スピード感を持って対応していくことが求められます。

新しい事業やプロダクトが次々と生まれるので、社内の動きをキャッチアップすることを意識して仕事をしています。社内のコミュニケーションツールで 情報を追うことはもちろん、各部署の方と雑談することも大切にし、事業の内容や事業を担う担当者の思いを理解したうえで、リリース配信やメディアへのアプロ―チをできるようにしています。
 

本業と副業でシナジーを発揮。副業で「もう1人の広報担当」の視点を養う

ー副業は、転職してすぐに始められたんですか?

転職して約3ヵ月後には、知り合いから仕事を受ける形で副業を始めました。もともと転職時から副業をしたいと思っていたのですが、転職後にその思いはより強くなりました。私は今「1人広報」として仕事をしているので、自分で判断することが求められています。もっと広報として経験を積んで、広報スキルを磨いていく必要があると感じ、副業を始めました。

最初は前職でも経験があった、SNS運用の仕事をお受けしました。その後、リリース作成やメディアアプローチなど、副業でお受けする業務の幅も広げていっています。

ありがたいことに、副業の仕事は知り合いから紹介いただくことが多いです。「副業をしたい」と伝えていると、「知り合いが、広報できる人を探しているよ」「SNS運用手伝って欲しいんだけど興味ある?」などと声をかけてもらい、仕事をいただいています。まずは、「副業に興味がある」ということを発信していくことが大切だなと思っています。


ー本業、副業ともに広報業務に従事されていますが、本業と副業でシナジーを発揮できるなと感じる場面はありますか?

副業を通して、「他者の意見」を聞けることは大きいと思っています。先ほども申し上げたとおり、本業では、実質的に「1人広報」として仕事をしているので、配信したリリースで思うような反響を得られなかったときも、自分で改善案を探していくことが必要なんです。副業で、私よりも広報経験が長い方と一緒に仕事をする機会があるのですが、そのなかで、「本業のあのリリースも、この切り口で書いたらもっと反響を得られたかも」など気づきをもらうこともあります。他者の意見を聞くことで勉強になりますし、あの人ならどう表現するかなと、「もう1人の広報担当」の視点を得られることは、私のようにベンチャー企業で仕事をする人には大きいなと思っています。

ー本業と副業の両立のために意識されていることはありますか?

一番はタイムマネジメントですね。本業で出張が入ることもあるので、随時状況を報告することを心がけています。favyは、13時~16時のコアタイムを挟んで8時間の勤務で柔軟に仕事をすることができるのですが、それでも時間の使い方は工夫が必要だと感じています。毎日何時間やると決めるのではなく、すき間時間を上手く使ったり、副業に多くの時間を費やしたら翌週は調整するなど、全体でバランスをとることを意識していますね。いただいている報酬と稼働時間のバランスも考えながら、しっかりと成果をお返しできるようにしています。

成果をお返しするためにも、副業をお受けする時点で、ニーズやKPIをすり合わせておくことが重要だなと感じています。広報では、メディアの種類によって媒体が求めている情報も異なります。相手が求めている成果と、私の提供できる価値が合致しているかはよくよく確認することが大切だと思います。

ゆくゆくは複業、今は副業というスタイル

ー倉田さんご自身は、今後どのようなキャリアを築いていきたいとお考えですか?

今後も広報として仕事をしていきたいです!「自身が商品を好きになれるか」を軸にPRの仕事を続けていきたいですね。また、ゆくゆくはフリーランスとして自分の名前で仕事ができるようになりたいなと思っています。今は、「本業」の傍ら「副業」として仕事をお受けしていますが、いずれは「複業」として広報支援や広報のコンサルティングができるようになりたいなと思っています。そのためにも、今は本業、副業の両方で経験を積んでスキルを磨いていきたいと考えています。

ー副業やフリーランスといった働き方に興味はあるものの、何から始めて良いか分からないと感じている20代も少なくありません。副業をしてみたいと思う20代にメッセージをいただけますか。

まずは、「副業をしたい」と自分から発信していくことが大切だと思います。友だちや知り合いに会ったときに、副業に興味があることを伝えていたら、もしかしたら紹介してくれるかもしれません。

将来どうなりたいかから逆算して、どんな経験やスキルを得たいのか、今持っているスキルは何かを洗い出していくことも必要だと思います。本業で得たスキルを活かして副業をし、副業を通して本業では得られない経験を積むことが、副業の理想的なスタイルだと思います。

副業は成果を求められるので不安だと感じる方も多いかもしれないですが、成果が求められるのは本業も副業も同じですし、報酬をいただいている以上、成果を上げなければいけません。勉強して、PDCAを回してと必死に取り組んでいると、アドバイスをしてくださる方も現れてきます。まずは、思い切って「やらなきゃいけない」という状況に身を置いてみることが、理想のキャリアに近づく一歩になると私は思っています。
 

株式会社favy 広報 倉田 鮎美さん
新卒で大手のブライダル会社に入社。ドレスのスタイリストとして経験を積んだ後、広報に異動し、PR経験を積む。28歳のときに、飲食店のサブスクプラットフォームの運営や、店舗のDX支援を担うfavyへ広報担当として転職。将来はフリーランスとして、自分の名前で仕事をすることを目標に、副業でも広報業務を担っている。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 E.S.

1992年9月生まれ。

新卒で入社した企業で法人営業職を2年経験後、内勤セクションに異動し、インサイドセールスの仕組み作りを実施。インサイドセールスから仕事の幅を広げ、現在はマーケティング・商品企画・販売促進・広報を担う。学生時代は教育系NPOでキャリア教育に携わっており、キャリア形成への興味から、20代の働き方研究所に、副業でジョイン。広報・マーケティングのほか、取材や各種調査を担当。
#ビジネスプロデュース #1→10 ♯社内副業 ♯スヌーピー好き

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