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2022.11.16FOCUS

メタバース活用で変わる働き方とは?注目される背景/市場規模/関連業界/キャリアパスを徹底解説!

インターネット上の仮想空間でアバターによる活動を行う「メタバース」。店舗や学校、オフィス、イベントスペースなど、現実の世界に存在しているものを仮想空間上で構築することが可能です。メタバース上では、アバターと呼ばれるキャラクターが自分自身の分身となり、空間上を行き来したり、空間上で出会ったアバターとコミュニケーションを図ることができます。最近ではゲーム業界だけでなく、徐々にビジネスシーンでの活用事例も増えてきました。今回はメタバースによってそれぞれの業界でどのような変化が起きるのか、どんなビジネスチャンスが広がるのかをご紹介します。

【TOPICS】
(1)メタバースとは?
(2)注目される背景と市場規模
(3)メタバース活用で、私たちの生活はどう変わる?
(4)メタバースに関わる業界・仕事
(5)メタバースの分野で築くキャリアパス

メタバースとは?

メタバースとはインターネット上に構築された仮想空間の総称です。英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた言葉で、ニール・スティーヴンスンのSF作品「スノウ・クラッシュ」に登場する仮想空間サービスが元となっています。

注目される背景と市場規模

近年、メタバースがこれほどまでに注目を集めている背景の1つに、アメリカのIT大手フェイスブックが、2021 年に「Meta」に社名変更したことが挙げられます。同社は VR と AR、そしてメタバースに 1 兆円規模の投資を行うと明言しました。

それに続くように、2022 年 2 月には、Google が運営する YouTube もメタバースへの参入検討を発表しています。日本においてもメタバースが新たに大きな市場になるという期待が大きく、注目を集めています。

海外の大手IT企業が参入を表明したことにより、さらに多くの企業が参入を決めメタバースの市場規模は大きく拡大しました。カナダの企業経営コンサルタント会社「エマージェン・リサーチ」の調査によると、2020年度のメタバースの市場規模は476.9億ドル(約5兆5000億円)に達したとしています。

このような市場規模の拡大から、メタバース分野への投資が拡大。投資家も成長が見込まれる業界であると関心を寄せています。

メタバース活用で、私たちの生活はどう変わる?

様々な可能性を秘めているメタバースですが、私たちの生活においてどのような変化が起きると期待されているのでしょうか。それぞれの領域の未来予想図を見ていきましょう。

■ビジネス関連
・バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとは、仮想のオフィス空間のことです。メタバース上に、事務所用の住所を貸し出すサービスだけでなく、仮想空間に疑似的なオフィスを作り、テレワーク環境でも実際に出社しているような感覚でテレワークができるツールなども増えています。

オンライン上のバーチャル空間にアバターが出社。アバターを自在に動かして、他のメンバーに話しかけたり、会議をすることができます。相手との距離に応じて声の大きさが変わるなど、物理空間に近い感覚で利用できることが特徴で、自宅や別拠点にいても、まるで同じオフィスにいるようにコミュニケーションを取ることが可能です。

・バーチャルショッピング
今でもオンラインショッピング市場が拡大していますが、メタバースによるバーチャルショッピングが普及すれば、より現実に近い買い物を楽しめるようになります。単に画像を見て商品を選ぶだけでなく、バーチャルショップで店員とコミュニケーションを図り商品をおすすめしてもらうことも可能です。また、最近はバーチャルモデルの人気も高まっており、本物の商品をバーチャルモデルが身につけることで、商品を宣伝するケースも現れはじめました。

単に顧客との接点を増やすだけでなく、ビジネスの形そのものを変えることも期待されています。たとえば、アパレル会社では、リアルな服を販売する前にメタバースのアバターが着る服を販売し、売れ行きのデータを収集することも可能になります。そのデータに基づいてリアルな服を生産することができれば、「売れ残りの廃棄」による環境負荷を軽減できる可能性も秘めています。

NFT技術を使えば、複製できない商品を販売することもできるため、リアルの世界と同じように限定商品なども販売できるでしょう。

※NFT技術:Non-Fungible Token:非代替性トークンのことで、偽造や改ざんが不可能なデジタルデータ。

■エンタメ関連
エンタメ業界、とりわけ音楽業界もメタバースと相性のよい業界の一つです。既にメタバース内でバーチャルライブを開催するアーティストもおり、今後より多くのライブが開催されると予想されています。

今後は、ファン同士で会話や交流をしたり、一緒にライブを盛り上げたりするなど「参加型」「双方向型」の要素を強められるかがカギになりそうです。

■旅行関連
メタバースの中には現実の世界をリアルに表現した世界もあり、バーチャルな旅行を楽しむこともできます。単に風景の映像を楽しむだけでなく、アバターが旅行先の空間を歩いたり、お土産を買うことで、より旅行に行った気分を楽しめるでしょう。

また、旅行前の下見に使うことで、スケジュールを立てやすくなりますし、現地についてから道に迷うこともなくなります。メタバースで体験できる地域は限られていますが、今後はより広がっていくことが予想されています。

メタバースに関わる業界・仕事

現実の世界に存在しているものを仮想空間上で構築することができるというメタバースの特性上、様々な業界・職種の商習慣や仕事の仕方に大きな変化をもたらすことが予想されています。ここでは、特に大きく変わる業界や、私たちの暮らしに関わりの深い業界の変化を取り上げます。

■不動産業界
不動産業界でも既にメタバースは活用されています。コロナの影響で物件の下見にいきづらくなったことで、メタバース上でバーチャル内見するサービスが生まれました。これまでは物件の検討において、平面の「間取り」を見て物件の絞り込みをしていましたが、立体的なメタバース空間で「室内」の中に入り、物件を探すことも可能になります。

■教育業界
メタバースを活用するのは大人たちだけではありません。これからはメタバース内の学校や教育機関が誕生し、どこにいても必要な学びを得ることができるようになります。

また、リアルの学校でもメタバースを使った課外授業を取り入れるようになり、普段はできない体験もメタバースを介して学べるようになるかもしれません。

国内では、IT企業のドワンゴが創立した通信制高校「角川ドワンゴ学園」がVRを活用し、3D教材で歴史的遺跡に触れるなどのバーチャルな体験を中心とした授業を展開しています。

■HR業界
就職・転職活動や採用活動においても、メタバースの活用は進みつつあります。「内定式」や「入社式」をメタバース空間で実施といったニュースを目にした方もいるかもしれません。メタバース空間にはどこからでも参加が可能なため、「一堂に会する」ことを容易にします。その他にも、メタバース空間でバーチャル職場見学をしたり、バーチャル会社説明会に参加することができれば、地理的な制約がなくなり、遠方の企業の選考にも参加することが可能になります。アバター面接が普及すれば、応募者の能力に焦点を当てた選考が可能になりダイバシティの推進に寄与する可能性も秘めています。
 

メタバースの分野で築くキャリアパス

メタバースの分野において、様々な職種が増えることが予想されています。様々なメタバース関連サービスが生まれているため、それぞれのプラットフォームの構築・運営に携わる仕事はもちろんのこと、企業におけるメタバース活用が今後進んでいくことで、これまでなかったようなキャリアパスが生まれてくることが予想されます。

<今後増えると予想されている職種>
・プラットフォームの構築・運営
・デジタルアイテムの製作
・3Dキャラクター製作
・バーチャル空間のイベントプランナー
・アバターを使った顧客応対


とはいえまだ発展途上のメタバース。いずれはメタバースの世界がひとつのつながった宇宙のような仮想空間世界となるのか、それとも銀河が多く点在するかのように、各種サービスが今後も併存していくのかによってキャリアの選択肢も変わってくるので、これからの動向についても注目しておく必要があるでしょう。

■この記事を監修
oVice株式会社
2020年2月設立。「人々の生活から物理的制約をなくす」をミッションに掲げ、従来のオンラインでのコミュニケーションを超えてまるでとなりで話をしているようなバーチャル空間を実現している。2020年8月のサービス開始以降、世界各国の2,200社以上で同社のサービスが導入され、2022年8月にはシリーズBラウンドで45億円の資金調達を実施。コクヨ株式会社との業務提携も実現し、テレワークとオフィス出社が混在する「ハイブリッドワーク」でのシームレスなコミュニケーションを実現し生産性を向上させる環境構築を加速。9月には元IBMグローバル人事責任者のMegan Reed氏がCHRO(最高人事責任者)に就任するなど、海外事業の拡大にも注力している。

会社概要
会 社 名:oVice株式会社
代 表 者:代表取締役CEO ジョン・セーヒョン
設   立:2020年2月
資 本 金:1億円
従 業 員:100名(2022年10月時点)
所 在 地:石川県七尾市本府中町エ113B

企業HP:https://ovice.in/ja/about-us/
サービス紹介ページ:https://ovice.in/ja/

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