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2024.02.28RESEARCH

20代前半の転職は難しい?転職市場の動向や転職のコツを紹介

 20代の働き方研究所


若い世代が離職する理由は、厳しい職場環境や長時間労働だけではなく、「ゆるい職場」に対する不安もあげられます。「ゆるい職場」とは、働く人の能力や期待に対して負担が少ない一方、成長の機会ややりがいが乏しい職場のことです。

競争が激しい現代社会に対応するため、若い世代はスキルアップの必要性を強く感じる傾向にあり、職場のゆるさに不安や焦りを感じる人が増えています。

本記事では、20代前半における転職の難易度や転職市場の動向などを解説します。

 

20代前半での転職は難しい?

20代前半は、それ以上の世代に比べると社会人経験は少ないですが、転職が難しいわけではありません。20代前半は高いスキルや経験ではなく、個人の特性や成長意欲などが評価されやすい傾向にあります。

そのため、未経験の業界や職種でも、仕事への意欲や得意分野をアピールすれば、転職できる可能性は高くなるでしょう。実際に20代前半で転職している人は多いという結果も出ています。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、20代前半(20~24歳)の転職入職率は、男女ともに14.7%だったことがわかっています。



男性の割合は19歳以下の19.9%、20代後半(25~29歳)の15.3%に続く高さです。女性は19歳以下の18.9%に続く割合の高さでした。女性の場合、20代後半になると14.1%とやや低くなります。

30代以上になると、男女ともに転職入職率が下降傾向にあるため、多くの企業が20代前半をはじめとした若い世代を積極的に採用していると言えます。

※出典元:「令和4年雇用動向調査結果の概況」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf)
 

【最新版】20代前半における転職市場の動向

転職市場は社会情勢や経済情勢の影響を受けやすいのが特徴です。20代前半で転職を検討している場合は、転職市場の動向を把握しておくことも大切です。

【早期離職率】就職後3年以内の離職率は32.3%

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」によると、令和2年3月に大学を卒業し、就職した人のうち、32.3%が3年以内に離職していることがわかっています。これは、前年より0.8ポイント増加しています。

離職率は会社の規模が大きいほど低く、規模が小さいほど高い傾向にあります。



※出典元:「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00006.html)
 

【新規求職申込件数】月28,000件程度

厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、令和5年1月から11月までの20代前半を対象とした新規求職申込件数の平均は、月に28,000件程度だったことがわかっています。



20代後半の月平均は38,000件程度なので、20代前半は10,000件程度少ないのが現状です。

※出典元:「一般職業紹介状況」(厚生労働省)
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&toukei=00450222&tstat=000001020327&stat_infid=000040130546)
 

20代前半でも転職を成功させられる理由



社会人経験が浅い20代前半でも、転職を成功させている人もいます。その背景には、20代前半ならではの特性が深く関係しています。
 

若手人材のポテンシャルが期待されているため

20代前半はほかの世代に比べて社会人経験を積んでいないため、経験やスキルを重視している企業は少ないでしょう。企業は、20代前半の人材にはポテンシャルの高さを期待しています。ポテンシャルとは、将来的に発揮されると想定される潜在能力のことです。

20代後半になると、経験やスキルがより重要視されるため、ポテンシャルに対する期待は低下すると考えられます。

また、20代前半の求職者は長いキャリアの初期段階にあります。社会人経験が少なく、特定の業界や職種に対する固定観念を持っていないことが多いでしょう。一つの価値観に縛られていないため、企業のカルチャーを受け入れやすい状態と言えます。

株式会社学情の「企業の20代採用について聞きました!業種・職種未経験者を採用する際に重視するポイントとは?」でも、企業が業種・職種未経験者を採用する際に重視するポイントとして、「人柄・社風との相性」と回答した企業が最も多くなりました。



企業は、自社の経営理念やカルチャーを浸透させる目的で、社風にマッチする可能性がありそうな20代前半の人材を求めていることがわかります。

※出典元:「業種・職種未経験者を採用する際に重視するポイント」(株式会社学情)(https://lab.re-katsu.jp/column/detail/id=727)
 

第二新卒向けの求人に応募できるため

第二新卒とは、大学を卒業して就職したあと数年で離職し、転職活動をしている若い世代の求職者です。一般的には、社会人経験が3年未満の人々を指し、20代前半の人たちが含まれます。

近年は、第二新卒を求める企業が増えています。一度でも社会人経験がある求職者は、基本的なビジネスマナーを身に付けているため、新卒者ほどの教育や研修が必要ないからです。企業は第二新卒を採用することで、教育コストを削減できるメリットがあります。
 

人口減少を理由に、若手人材の応募数が少ない傾向にあるため

厚生労働省の「労働経済動向調査(令和3年8月)の概況」によると、業界全体の人手不足は34%だったことがわかっています。

近年は少子高齢化により、多くの企業が人手不足を課題に抱えている状況です。若い世代向けの求人を出しても、応募が集まらず予定採用人数を確保できない企業も増えています。

求職者に対して求人数が上回る売り手市場が続いており、人手不足を解消するために20代前半の人材を積極採用する企業も多い傾向にあります。

※出典元:「労働経済動向調査(令和3年8月)の概況」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2108/dl/8roudoukeizaidouko.pdf)
 

20代前半での転職が難しいケース




20代前半は、ポテンシャル採用や第二新卒での応募が期待できるため、社会人経験が少なくても転職できる可能性があります。一方で、求職者の状況によっては20代前半での転職が難しいケースもあります。
 

転職回数が多い場合

近年は働き方に対する価値観の多様化により、転職も珍しくありません。しかし、20代前半にも関わらず、やむを得ない理由もなく、あまりにも転職回数が多いと転職を成功できない可能性があります。

20代前半で転職回数が多い場合、企業から労働環境への適応力が弱い、安定性が低いとネガティブな印象をもたれやすいので注意が必要です。

また、1年以上同じ企業での勤務経験がない場合、信頼性が低いと見られることがあります。20代前半で転職を検討している場合は、現職場でも1年以上在籍するようにしたほうがよいでしょう。
 

転職目的と志望動機が不明確な場合

20代前半に限らず、転職する際には目的と志望動機を明確にしておく必要があります。たとえば未経験でもやりたい仕事がある、キャリアアップしたいなどです。

目的がはっきりしていないと、志望動機が曖昧になりやすい側面があります。転職する際には、特に次の点を明確にしておきましょう。
 
  • 応募先企業を志望した理由
  • 応募した職種で働きたい理由
  • 他社を応募しなかった理由 など

志望動機があいまいだと、入社後にギャップを感じて早期離職につながる恐れもあります。転職目的と志望動機は、できるだけ具体的に説明できるようにしておきましょう。
 

将来のビジョンが見えていない場合

20代前半で転職する人のなかには、現在の職場や仕事に不満があるケースも少なくありません。たとえば給料が低い、人間関係に悩んでいる、長時間労働が常態化しているなどです。

しかし、20代前半はそれ以上の世代に比べて経験やスキルが十分ではないため、転職しても給料が下がる可能性もあります。企業研究が不十分な場合、また同じような課題に直面するかもしれません。

そのため、20代前半で転職する際には目先の不安だけでなく、将来的なビジョンに目を向けることが大切です。将来的なビジョンを持って転職活動を進めると、20代前半でも転職を成功できる可能性が高まるでしょう。
 

20代前半での転職を成功させるコツ



20代前半で転職を成功した人によく見られる共通点を紹介します。

自己分析を徹底する

20代前半の転職を成功させるためには、自己分析を徹底することが大切です。自己分析とは、自分に関する次のような特性を明らかにすることを指します。
 
  • 強み
  • 弱み
  • 興味関心
  • 価値観
  • 性格
  • 傾向 など

自己分析が不十分な場合、自分の魅力を十分に伝えられない恐れがあります。一方で転職前にしっかりと自己分析をすると、自分の強みや弱みを把握できるため、転職目的やキャリアプランが見えやすくなります。

自分の強みを把握できれば、応募先に効果的にアピールでき、選考の通過率を高めることも可能です。20代前半で転職する際には自己分析を徹底し、自分の特性を把握するようにしましょう。

企業研究を入念に行う

20代前半の転職活動では、特に企業研究を入念に行うことが大切です。企業研究が不十分な場合、ミスマッチにつながる恐れがあります。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概要」によると、転職入職者が前職を離職した個人的理由のうち、男女ともに「職場の人間関係が好ましくなかった」や「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」など、労働環境に関する内容が多いことがわかっています。



※出典元:「令和4年雇用動向調査結果の概要」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/23-2/dl/gaikyou.pdf)

転職先でも前職と同じ状況を繰り返さないためには、企業研究を徹底する必要があります。20代前半は社会人経験があるため、学生時代と異なる視点で企業研究をしてみましょう。

退職理由はできるだけポジティブに伝える

応募先の企業から退職理由を聞かれたときには、できるだけポジティブに伝えるようにしましょう。

20代前半のなかには給与が少ない、人間関係が好ましくない、長時間労働が常態化しているなど、ネガティブな理由で退職するケースも少なくありません。しかし、退職理由を正直に伝えると、応募先企業に好ましくない印象を持たれる可能性があります。

求職者の前の職場に対する不満を聞き出したいわけではありません。むしろ、前向きな姿勢を重視します。そのため、できるだけポジティブな表現で述べることが重要です。

転職エージェントを利用する

20代前半の転職を成功させるためには、転職エージェントを利用するのも手段の一つです。転職エージェントでは求人の紹介のほか、転職活動をサポートする次のようなサービスを提供しています。
 
  • プロのキャリアアドバイザーによるアドバイス
  • 履歴書や職務経歴書の添削
  • 面接日程の調整
  • 応募先企業との条件交渉 など

転職エージェントには、転職支援のプロであるキャリアアドバイザーが在籍しています。キャリアアドバイザーは、求職者の希望条件や仕事に対する悩みなどをヒアリングし、第三者の視点で適切なアドバイスを行います。

転職活動を徹底的にサポートするため、転職が初めての場合でも安心して利用できるでしょう。転職エージェントを利用するなら、Re就活エージェントがおすすめです。

Re就活エージェントでは、第二新卒や20代を対象とした求人を数多く取り扱っています。20代前半で転職を成功させたい場合はぜひ利用してみましょう。

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20代前半の未経験者が挑戦しやすいおすすめの業種・職種



最後に、20代前半の未経験者が挑戦しやすいおすすめの業種や職種を紹介します。

IT業界

20代前半で未経験の業種に挑戦するなら、IT業界を検討してみましょう。社会からのニーズが高く、今後も発展が見込まれている業界です。

近年は多くの業界が人手不足に陥っていますが、特にIT業界は状況が深刻です。政府もIT業界の人手不足への対策を強化しているものの、なかなか改善されていません。IT技術は日々進化しているため、IT人材の育成が間に合っていないことが要因でもあります。

多くのIT企業が、急速に変化する環境に適応できる若い人材を求めています。20代前半はポテンシャルが重視される傾向があり、人手不足が深刻なIT業界では未経験者でも挑戦しやすい状況かもしれません。

人材業界

未経験の業種にチャレンジしたい場合は、人材業界を検討するのもよいでしょう。人材業界には、人材紹介や派遣、求人広告などが含まれます。

この業界は比較的新しい分野で、ほかの業界よりも早い段階から女性や若い世代を積極採用し、成長してきた企業も多くあります。時代のニーズに合わせて新しい働き方や人事評価制度を導入する動きも活発です。

すでに、女性や若い世代が働きやすい文化の土台ができている企業も多いため、20代前半の求職者にもチャンスを与えてくれる可能性も高いでしょう。

飲食・サービス業界

人と関わる仕事に就きたい場合は、飲食・サービス業界への転職を検討してみましょう。飲食・サービス業界は接客業務が中心となるため、多くの人と関わることが可能です。

特別なスキルや必須スキルを求められないケースも多く、未経験者でもチャレンジしやすいでしょう。

学生時代に飲食・サービス業界でアルバイトした経験があれば、転職に有利に働く可能性もある業界です。

営業職

自分の努力次第で給与アップを狙いたい場合は、営業職への転職を検討してみましょう。営業職はどの業界でも募集しているため、未経験の業界でもチャレンジしやすい職種の一つです。

営業職には、資格の有無や学歴が問われないケースがほとんどです。結果を出せば給与に反映されるため、自分に対する評価もわかりやすいでしょう。

営業職は顧客との接点が多いため、第一印象や受け答えもチェックポイントになります。そのため、営業職での転職を成功させるためには、面接が鍵となります。

営業職への転職を希望している場合は、転職エージェントを利用し、面接対策を徹底しておくとよいでしょう。

事務職

20代前半で未経験の業界に転職する際には、事務職も選択肢の一つです。事務職は、文書作成や書類簿整理、電話対応など事務業務全般を担当する職種を指します。

事務職はどの企業でも不可欠な職種なので、門戸が広い分、人気の職種の一つです。多くの業務ではPCを使用するため、WordやExcelなどのパソコンスキルがあると転職に有利に働く可能性があります。

事務職の求人には特定の資格が求められるケースもあるため、応募する前に求人票を確認しておきましょう。
 

自己分析を徹底して20代前半での転職を成功させよう



20代前半は、それ以上の世代に比べて社会人経験が少ないものの、転職できないわけではありません。近年は人手不足の解消や組織の若返りを目的として、若い世代を積極採用している企業も増えています。

ただし、転職回数が多い場合や転職目的が不明確な場合は、転職がうまくいかない可能性があるので注意が必要です。転職を成功させるために、自己分析を徹底しましょう。

Re就活エージェントでは、求職者の自己分析もサポートしています。まずはRe就活エージェントに登録し、キャリアアドバイザーに自分の希望や転職で叶えたいことを相談してみてください。

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この記事を書いた人

 20代の働き方研究所

20代中心の研究員で構成された研究機関。20代が主体的に「キャリア」や「働き方」を選択できるように、キャリアや仕事観の形成に関する調査・研究・情報発信を行っています。

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