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2021.07.27INTERVIEW

組織をもって成果を上げる。「日本文化の継承」を担うバリューマネジメントの人事制度からひも解く、20代が「成長サイクル」に乗る秘訣とは?

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.
バリューマネジメント株式会社
人材開発部
マネージャー 佐藤 智介(さとう ともすけ) 様(写真左) 
チーフ 横山 真美子(よこやま まみこ) 様(写真右)


古民家などの歴史的建造物を活用した、婚礼事業・宿泊事業を展開するバリューマネジメント。「歴史的建造物の維持・利活用」や「宿泊事業を軸にした地方創生・観光まちづくり」は決して容易に成し遂げられることではありません。難しい事業に取り組むからこそ、「成果への責任」と「常識にとらわれない挑戦」が求められます。いわば1人ひとりが「リーダーシップ」を発揮することが求められる環境で活躍する「人」はどんな人なのか。「人」を輝かせる「制度」はどのようなものがあるのか。人材開発部で採用を担う佐藤さんと横山さんにお話しを伺いました。 


 

社員一人ひとりの力を結集。「ソフトの力」で「日本の文化を紡ぐ」

―古民家などの歴史的建造物の利活用、また、まちづくりを通じた地域振興などを担うバリューマネジメントの事業の特徴はどこにあるのでしょうか。

(佐藤)当社の事業が目指すものは「日本の文化を紡ぐ」ということです。事業として日本の文化継承を担い、ゆくゆくは世界の文化継承も担っていきたいと考えています。歴史ある建造物や、それを活かしたまちづくりなどを通じ、歴史や文化の再生・保全を実現しています。

ただ、施設を保全し見学するということだけでは限界があります。施設再生のエンジンとして、当社ではそうした歴史的建造物を活用し、結婚式場や宿泊施設、レストラン利用やMICE会場(宴会など)にすることで、施設価値の最大化を実現しながら、収益を上げています。いずれも一般のお客様をおもてなしし、非日常的な場所を楽しんでいただくものだからこそ、人の力、つまり「ソフトの力」で価値の最大化を実現しています。

また、バリューマネジメントのビジネスモデルは歴史的建造物を保有するオーナー様や自治体を対象に企画提案、まちづくり支援を行う「BtoB」の側面と、結婚式やレストラン、ホテル事業を運営する「BtoC」の側面の両方を兼ね備えており、一気通貫したビジネスであることも特徴の一つです。

―非常に社会貢献性の高い事業ですが、歴史的な建造物の再生・活用やまちづくりなどといった案件を、どのように見つけてくるものなのでしょうか。

(佐藤)創業から17年目になりますが、実はこれまでの案件全てがオファーを受けてのものであり、こちらから営業をかけたことはありません。

当社の代表である他力野は元々結婚式場のマーケティング支援をしていました。式場の集客・プロモーション効果の最大化や、施設によっては経営戦略などのマネジメントを代行しており、そのノウハウが当社の事業の原点にもなっています。

代表の他力野は長崎県出身・神戸育ちという経歴、誕生日は、長崎に原爆が投下された8月9日です。また、阪神淡路大震災を経験したことから、多くの価値あるものが一瞬で失われることを、身をもって知り、文化を残すことの重要性を感じたことで当社のビジネスを興しています。

そうした背景もあり、バリューマネジメントは歴史的建造物やまちの再生に本気で取り組み、信頼を積み重ねてきました。あくまで主役はオーナー様やまちの人たちで、私たちは黒子という考えですが、そうしたひた向きな姿勢から少しずつ口コミも広まっていき、自治体やオーナー様からご相談を常にいただいている状態です。

―信頼を積み重ねてきたとのことですが、並大抵のことではないと思います。社員一人ひとりに非常に高い能力がないと実現し得ないのではないでしょうか。

(佐藤)確かに観光まちづくりや歴史的建造物の活用には専門的な知識が必要で、それはディベロッパーとしての知識を持つ一部のメンバーや、各省庁や自治体に出向し知見を蓄積したメンバーが担っています。

ですが、最も重要な部分は建物やまちの価値最大化のカギとなる「ソフトの力」です。結婚式場にせよ、宿泊施設にせよ、365日稼働しなければ事業として成り立ちません。だからこそ、利用率を高めるための営業活動やお客様へのおもてなしが必要ですし、ヒューマンスキルやテクニカルスキルを上げるためのサポートも会社として実施しています。当社の事業は、歴史的に価値ある建物やまちなみを再生・活用し、価値あるものの魅力を最大化するビジネスです。そのまちを守る自治体や建物を所有するオーナー様の想いを紡ぐこと、再生した施設を利用するお客様に期待を超えた感動体験を提供することの両方が必要不可欠なため、「ソフトの力」の最大化はビジネス継続の上でも大事なポイントとなっています。


NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町(愛媛県大洲市・写真左上)NIPPONIA HOTEL函館 港町(北海道函館市・写真右上) 鮒鶴京都鴨川リゾート(京都府京都市・写真左下)ホテル カルティア 太宰府(福岡県太宰府市・写真右下)

 

「全体最適化」の人事制度が、一人ひとりの成長に繋がる

―一人ひとりの能力開発のために、具体的にはどのような制度があるのでしょうか。

(佐藤)まず当社の場合、新卒入社のオファー職種は、営業職か総合職です。営業職はウェディングプランナーとして活躍し、総合職の場合にはその他の幅広い領域での活躍ができるようになっています。

BtoBtoCの事業展開をする当社ですが、まずはtoCの部門を担当し、一般のお客様との接点をもつところから始めます。マーケティングやブランディングといったバリューチェーンの上流部分に携わるにしても、toCの部門でお客様と接点を持つことが必須だと考えています。当社の事業は、アニバーサリー事業(婚礼・MICE・レストラン)・観光事業(宿泊・飲食)と、お客様に非日常空間で特別な価値・体験を届ける事業です。歴史的建造物や歴史的なまちなみが再生され、お客様にとって必要な場所であり続けるためには、文化継承の担い手であるtoCの部門での経験が必要不可欠です。


toC部門の経験を積んだ後、様々なポジションに進むことができる人事制度を用意していますが、どの社員がどのポジションに進むことができるかは「全体最適化」の観点で配置決定を行っています。

―「全体最適化」の人事制度とはどのようなものですか

(佐藤)まだまだベンチャー企業である当社では、価値ある文化を「守る」ために、「攻め」の経営をしています。コロナ禍でも、オファーいただいた地域の活性化に寄与し、世の中に価値を提供するために、新規で3つのエリアのまちづくりに係わり3店舗オープンしたくらいです。

そうした攻めの姿勢の中で、誰がどこに配属されれば組織全体の最適化と、個人の能力が発揮できるかということを考えて、人事配置を行っています。

在籍年数で役職がつく、いわゆる年功序列の会社もあるかもしれませんが、当社の場合には年功序列の組織ではなく、ポテンシャルがあれば、どんどん色々な仕事に挑戦する機会が増えていきます。中には入社半年で歴史的建造物を活用した宿泊施設のマネジメントに就いた社員もいました。私自身も、学生時代に組織で成果を上げる経験をしていたことが評価され、入社1年弱で当社が事業再生を担う宿泊施設の支配人になりました。

その意味では早期にマネジメントを経験できる会社です。冒頭にお伝えしたように、当社の評判が広まっていき、おかげ様で歴史的建造物の利活用や観光まちづくりに関するご相談をいただく案件数も非常に増えてきています。マネジメント経験を積めば、どんどんステップアップもできるはずですし、若手メンバーがチャレンジできる場は今後ますます増えていきます。

人の真なる成長の多くは、キャリアの節目を乗り越えることにかかっています。たとえば、ポジティブな異動/配置・配属を通じた適度なストレッチ、役職が上がることによりワンランク上の責任を持つこと、より負荷のかかる仕事や業務の同時進行など瞬間的なハードワークをすることで、成長を実現できるのではないかと考えています。

もちろん、ポテンシャルを重視してのアサインなので、実際に配属されてみて出来ないこともあるとは思います。できないことは仲間と協力・連携しつつ、あくまで自分の「強み」が跳ねるようなサイクルにのせることがこの仕組・制度の狙いです。

―実際に横山さんはこの仕組・制度で営業から人事担当に異動されたそうですが、いかがでしたか。

(横山)私はもともと新卒で当社に入社して、ウェディング部門で働いていましたが、実は何の前触れもなく急に異動となりました(笑)

私の場合には会社からの通達で異動となりましたが、当社は自分自身でどういったキャリアを描きたいのかを考え、そのキャリアをつかみ取ることができる会社じゃないかと思っています。半年に1回の面談で自分がやってみたいことを伝える場が用意されていることもそうですし、全体最適化を通じて会社が次のステージを用意してくれているのもありがたいことですね。

現在は新卒採用を束ねる立場にいますが、営業から人事に異動になるときには「人事って何?」といった感じで最初は苦労しました。

営業時代はお客様対応だけでしたが、採用担当となると関わる人の幅が広がっていきます。学生はもちろんですが、仲間集めである採用を非常に重要視しているため、社長をはじめ経営陣とも関わることになりますし、若手社員とのコミュニケーションや各事業部の担当者とも関わる必要が出てきます。コーポレート部門でのキャリアを積むには、こうした様々な関係者と仕事を進めていかなければならないと思いますが、これまで自分の見えていたものとは違う世界が見えてきています。

 

―様々な経験を積めることは魅力ではありますが、自分自身でキャリアを描き、その理想や目標を持ち続けることは非常に大変なことだと思います。また、全く異なる仕事に挑戦するのもハードルが高そうです。どんなフォローをされ、どんな姿勢でいることが大事になるのでしょうか。


(佐藤)会社の制度やサポート体制という点では、私たちをはじめ人材開発部のメンバーが必要なノウハウのインストールをサポートします。

一例を挙げると半年に1回開催されるプレゼン大会というものがあります。toCの事業における本質は人の心を動かすこと。入社3日目でもお客様の前に立つことがある当社では、プレゼン大会を通じてオーディエンスの心をつかむ話し方や振る舞いが身に付けられるように機会をつくっています。

また、やはり新しいポジション・環境に配属することが、結局は個人の能力を伸ばすことになると思っています。早い内に打席に立つことで、たとえ能力が現時点で多少不足していたとしても、チャレンジすることで成長していくものです。

色々な現場を経験することで、ポジションや環境が変わろうとも安定的に価値を出すことにできるようになり、少しずつ実力が付いて行けば、面談で自分のキャリアの希望も出しやすくなっていくはずです。

(横山)姿勢や内面についてであれば「なりたい自分」をイメージできるかどうかが大切です。採用活動でも「あなたがなりたい社会人とは」というメッセージを学生に投げかけています。常になりたい社会人像を考えて、どこで働くことでその理想像に近づくのかが明確であれば、もっと成長できるようになるはずです。

会社は自己実現のためだけにある場ではありませんが、人生を通じて実現したいことという目標を置き、少しずつ仕事を通じて欠けている部分を補っていくようにしていってほしいですね。
 

20代で成長をするためには―。20代ならではのメリットを感じてまずは行動すること

 

―同じく20代であるお二人の視点から、20代の内に成長するために必要なことは何だと考えますか?


(佐藤)当社で20代の内に活躍するということであれば、とにかく手を挙げてやってみることにあると思います。自分で自分がチャレンジする打席を手にし続けることで、色々な経験を積むことができるはずです。

また、一般的に20代のメリットと言うのは経験が多くない分、余計なプライドも持っていないということだと思います。

30代になると人によっては固定概念に囚われてしまうこともあるでしょうし、経験を積んで役職も上がって年収も上がってくれば、思いきって動くといったことはできなくなっていきます。特に大手企業であれば、会社の看板だけで仕事をしてきた人もいるかもしれません。いざ転職をしようとしてもなかなかうまくいかないミドル層は、こうした原因が多いように思います。
その分、20代の内なら自分の仕事に100%向き合って、100%を超える結果を出すことで信頼を獲得することができ、そうすればどんどん仕事が舞い込んでくるようになります。

組織の内外にまで信頼が繋がっていけば、成長が成長を呼び、本人の自尊心に繋がってくることと思います。

考えるよりもまずは動く。トライ&エラーを繰り返すことが大事ですね。

(横山)同年代の知り合いに会うと、上司のせいでうまくいかない、環境のせいでうまくいかない、といった他責になりがちな人が多いように思います。

他人や環境はいくら行動してもなかなか変わらないもので、変えられるものは自分だけだと思います。今の環境で一番能力を発揮できるようになるにはどうしたら良いかを考えられる人が一番輝けるものです。

(佐藤)環境を変えようと転職を決断したとしても、自分自身のスタンスや考え方を変えなければジョブホッピングを繰り返すだけです。まずは、目の前のことに100%でぶつかってみてほしい。楽しいことが1つでもあるかもしれないし、その環境に素晴らしい仲間が1人はいるかもしれない。この1週間は100%動ききれただろうか、来週もっと良くなるために何をしたらいいだろうかと考えて欲しいですね。

ネガティブな時には不平や不満しか出てこないものです。文句ばかり言っていても変わりません。

もちろん、あまりにも環境が困難な状況であったり、仕事の負荷がかかりすぎたり、一時的に苦しい状況になって、前向きに物事を考えられないときもあると思います。その時には、自分自身を引き上げてくれる人の存在が必要になると思います。社内の人であれば、信頼できる上司や先輩でしょうし、社外であっても20年以上生きてきた中で、自分が輝いていたときに関わってくれた人と会って話をしてみるだけで変わるはずです。ただ、友人や同年代だと単なるグチの言い合いになってしまうかもしれないので、年上の知り合いや、ナナメの関係の人が良いのではないかと思います。
バリューマネジメント株式会社
2005年2月設立。「施設再生から地域の活性化につなげ、日本独自の文化を紡ぐ」をテーマに、「歴史的資源を活用した観光まちづくり」をミッションに掲げ、歴史的資源を保存・活用し、アニバーサリー需要、観光需要を取り込むことで地域の永続的な価値創造サイクルを構築。内閣官房「歴史的資源を活用した観光まちづくりタスクフォース」有識者メンバー、経済産業省「地域未来牽引企業」選出、「働きがいある会社ランキング」7年連続ベストカンパニー選出など、幅広い活躍とともに、多方面より評価を受けている。
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この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

1991年12月生まれ。
新卒で大手新聞社に入社。記者として取材・記事の執筆を経験後、Webサービスを手掛ける企業に転職。約20名のメンバーのマネジメントの傍ら、Webサイトの開発・サイトの集客プロモーション・取材やライティングを幅広く担当。20代の働き方研究所では、企業へのインタビュー取材・取材記事執筆を担っている。
#カスタマーサクセス #コンテンツディレクション #イベントプロモーション #仕事終わりの晩酌が日課

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