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2021.07.27INTERVIEW

「世の中にDelightを届ける」ために―。一人ひとりの社員の可能性を広げるDeNAの制度から、「プロジェクトベース」の働き方に必要な力を探る

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

株式会社ディー・エヌ・エー 
ヒューマンリソース本部 副本部長 風早 亮(かざはや あきら)様
DeSCヘルスケア事業開発部 サービスプロデュースグループ 伊藤 菜奈(いとう なな)様


所属部署の責任者の承認がなくても異動ができる「シェイクハンズ制度」や、所属部署に在籍したまま異なる部署の仕事ができる「クロスジョブ制度」、独立起業を全力でサポートするプログラム「デライト・ベンチャーズ」など、非常にユニークな取り組みを続けているDeNA。「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」をミッションに掲げる同社が、なぜこうした制度を導入し、そして社員一人ひとりにどのように成長をしていってほしいのかを伺いました。

社員の個性を余すことなく活かすDeNAの制度

―シェイクハンズ制度やクロスジョブ制度をはじめ、社員の独立・起業支援など様々な制度を導入されています。まず、そうした制度を導入されている狙いを教えていただけますか

(風早)制度導入の狙いは、社員一人ひとりの個性を余すことなく活かすことにあります。ここ3~4年で会社の制度も大きく変化してきており、起業支援もその中で生まれました。起業支援については会社のミッションでも大事にしている「Delight」を世の中に届けるために導入された制度です。

「DeNAギャラクシー」と呼んでいる、宇宙や星座に例えた考え方があるのですが、DeNAというひとつの星のような会社が存在する中で、世の中には他にもたくさんの星があり、時にDeNAが中心で輝くこともあれば、片隅に位置することもある。いずれであっても、その星となる企業それぞれがDelightを世の中に届けることが、我々のミッションです。DeNAを中心に様々な企業が繋がり合い、Delightの総和の最大化を目指すために、起業支援制度を導入しました。

当社では採用にこだわり優秀な人材の獲得に注力をしているので、人材の流出が困らないというと嘘になります。しかし、中長期的に考えて、あえてそうした社員の独立・起業も支援しています。実際にDeNAのOB・OG社員として活躍している方も多くいらっしゃいますし、こうした取り組みによってDeNA出身者の会社も応援できる環境ができ、各社がDelightを届けることを後押しできるようになっていくことで、先ほどのDelightの総和の最大化が実現できるようになっていくと考えています。

―シェイクハンズ制度やクロスジョブ制度についてはどんな背景があったのでしょうか

(風早)シェイクハンズ制度は所属部署の責任者に承認をとらずとも異動が実現できる制度です。DeNAには、所属部署の事業に関わらず色々なことに興味をもち、あれもやってみたい、これもやってみたい、と意欲的な社員が多数在籍しています。しかし、上司に気遣う必要もあり、そうした意思の発信が難しい場合もありました。

シェイクハンズ制度は文字通り、制度を利用する社員と、異動希望先の部署の責任者とが合意し握手できれば半年以内の異動を実現するというものですが、これも社員の個性を余すことなく活かすという考えの表れだと考えています。

もちろん、完全に異動するのはハードルが高いこともありますので、そうした場合には所属部署に在籍しながら、他部署の仕事も経験できるように、クロスジョブ制度を利用することができるようにしています。

過去に社内で統計をとった際に、2年以上同じ仕事をし続けている人は成長を実感できずに退職傾向にあったという結果が出ています。一人ひとりのキャリアを考えたときに、色々なことに挑戦できる環境をつくる必要がありましたし、活躍している社員がシェイクハンズ制度やクロスジョブ制度を使っていれば、自分も使ってみたいと思ってくれるのではないかと考えています。

なお、社内には「OpenQuest」という内製の社内ジョブボードがあり、社内で募集中のポジションが一覧化されて誰でもみることができる状態になっています。希望するポジションに「like」をつけると、その募集しているポジションの部署の担当者から話を聞くことができるというものです。

―伊藤さんはクロスジョブ制度を利用されたことがあるそうですね

(伊藤)そうですね。クロスジョブ制度を2回利用したことがあります。私の場合はオープンクエストではなく、社内で繋がりのある人から一緒にやってみないか、と誘われてクロスジョブを利用することになりました。

一つは新規事業に関わるもので、当時2年目の社員でしたが、その新規事業の蓋然性を高めるために情報収集をするというものでした。

もう一つは、社内のプロダクトマネージャーを組織化し、育成の仕組みづくりを行うものでした。
 

―クロスジョブ制度にせよ、シェイクハンズ制度にせよ、全く畑違いの仕事に挑戦するのは大きな決心がいるのではないですか

(伊藤)全く異なる仕事をするというと転職に近いと思われるかもしれませんが、同じ会社なのでカルチャーは同一です。社内のネットワークや繋がりを駆使して、情報を共有しあうことで違う仕事にも挑戦しやすくなっていると思います。

オープンクエストのお話がありましたが、掲示板ではなく、イベントラウンジのようなものもあり、募集ポジションのある部署の担当者が希望者に対して、質疑応答に応じる場を設けています。今はZoomで参加しやすくもなっていますし、こうした取り組みもアクションにつながる後押しになっているのだと思いますね。

できることをもっと増やすために、チャレンジを求める文化があります。そういった人を採用しているので、あまり躊躇するといったことはないと思いますよ。
 

「プロジェクトに呼ばれる人」へ。人は仕事で育つもの

―風早さんから採用に注力しているというお話が冒頭でもありました。どのようにチャレンジを求める人を採用しているのでしょうか

(風早)新卒採用では『「面白がり」、求む』というメッセージを発信しています。これにはどんな状況であっても楽しむことができる人を募集しているという意味が込められています。
困難なこと、難儀なことなど、仕事においては色々な課題に直面することがあると思いますが、そうした時に「無理だ」「諦めよう」と思うのではなく、「何とかできたら面白くない?」という発想で挑戦し、背中を預け合えるような組織をつくっていきたいと思っています。

そのような組織を実現したいからこそ、各部署の社員・責任者が自分の仕事の合間を縫って採用活動に参加しており、全社的な採用活動へと繋がっています。

―そうして採用された方が成長するように、20代の若い間にするべきことはどのようなことなのでしょうか

(風早)「人は仕事で育つ」と考えています。これからの時代はプロジェクトベースでの働き方になっていくと思いますが、これは社内外を問わず広がっていくものです。

また、国としても副業を推進していますし、コロナ禍でオンラインツールを駆使した働き方が急速に進み、働く場所も選ばない状況になってきています。これにより前倒しでプロジェクトベースでの働き方は進んでいくはずです。

そうなると、そのプロジェクトに呼ぶ人、呼ばれる人が出てきますが、20代の間は呼ばれる人になることを目指してほしいです。チームにしっかり貢献できる「個の力」を身に付けてほしいと思っています。

そして、その力を身に付けるためにはとにかく打席に立つことです。若い内は大きいプロジェクトにとにかく参加したいと思いがちですが、そうではなく、大事なことはそのプロジェクトの中で何ができるのかということです。

その人がプロジェクトの起承転結のどこを任されていて、どれだけ多くの創意工夫ができたのかが重要です。創意工夫を経験していくことで、仕事の規模や難易度が次第に上がっていき、重要な役割を任せられるようになり、そしてプロジェクトに呼ばれる人になっていくようになると考えています。

―「プロジェクトに呼ばれる人」というお話がありましたが、まさにプロジェクトに呼ばれてクロスジョブを利用された伊藤さんからみて、同じ20代のキャリア形成において必要な考え方はどのようなものだと思いますか

(伊藤)若手のうちに、キャリアプランを詳細に考える必要はないと思っています。新卒で就職活動をしていた際に、3年後・5年後・10年後にどうなっていたいのかを考え、逆算してキャリアを考えるようにと指導を受けたことがありました。ですが、実際に働いてみて分かったことは、1年後の自分は想像を遥かに超える成長をしていたということでした。

キャリアプランを固めすぎてしまうことで可能性を狭めてしまうことは大いにあります。何事もやってみないことには、好きも嫌いも、向き不向きも分からないと思うので、目の前の仕事に100%で取り組んでいくことが大事だと思います。

また、夢中になって取り組める仕事の方が絶対に楽しいはずです。就活時、私のこれまでの人生をモチベーショングラフで示した際に、18歳の部活動をしていた時がピークだったなと気づきました。
この先、40年以上働くことを考えたら、その時を超えるくらい夢中になれないともったいないなと思うんです。

―夢中で仕事をするためにも、スキルを磨くことは必要なことだと思います。伊藤さんはどのように自己研鑽されているのでしょうか

(伊藤)先ほど、風早さんから「人は仕事で育つ」というお話があったと思います。育つためには仕事から学びを得なければなりませんが、それはどれだけアウトプットをしてきたか、どれだけ意思決定をしてきたかということだと考えています。

―意思決定をするとはどういったことでしょうか

(伊藤)仕事をしている中で、大なり小なり任される領域があると思いますが、様々なオプションがある中から一つを選び意思決定をするというのは非常に勇気のいることだと思います。

新卒の内はチューターやメンターがいますので、自分事として事業を捉えにくい環境もあるかと思いますが、私は2年目の時にマネージャー業務に携わる機会があり、あらゆることを自分事として考える必要性がでてきました。

マネージャーとして意思決定するいうことは、それがそのままチームの方針にもなるので、それだけ思考を重ねる必要があります。プレッシャーを強く感じる経験でしたが、今ではその経験が自分の強みとなっているとも感じます。

―そうしたお考えを持つ伊藤さんは、今後どんなことに挑戦したいですか

(伊藤)価値のあるサービスを生み出したいですね。価値のあるサービスを作り、それを持続することは非常に難しいことではありますが、たえずその挑戦を続けていきたいです。

―最後に、この記事を読む20代の方にメッセージやアドバイスをお願いします

(風早)DeNAには『「こと」に向かう』という行動指針があります。自身の行動が「こと」に向かって真っすぐ向かっているかどうか、という考え方ですが、これはDeNAだけではなく、本質的に大事なことだと思っています。誰かが言っているからそうする、ではなく、「こと」を成すために自ら行動できているかが重要です。

スポンジのように吸収力があるのが20代です。世の中に向けて自分が何をしていくのかという目的意識を持つことが大事です。そして、その目的意識を持つことによって、先ほどお話したように、「呼ばれる人」になって打席が回ってくるようになると思います。

(伊藤)やってみて無駄になる失敗はありません。チャレンジしたいと思ったのであれば、とにかくやってみる。「失敗したっていいじゃん」というくらいポジティブな考えで、一歩踏み出してみてください。考えるだけで足踏みをし続けるのではなく、経験を積むこと。その経験こそが財産になると思います。
 
株式会社ディー・エヌ・エー
「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」のミッションのもと、エンターテインメントと社会課題領域の両軸で事業を展開しています。主な事業領域はゲーム、スポーツ、ライブストリーミング、ヘルスケア、オートモーティブで、バーチャルからリアルな事業まで、一貫して社会に新たなDelightの創造・提供を届けていきます。
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この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

1991年12月生まれ。
新卒で大手新聞社に入社。記者として取材・記事の執筆を経験後、Webサービスを手掛ける企業に転職。約20名のメンバーのマネジメントの傍ら、Webサイトの開発・サイトの集客プロモーション・取材やライティングを幅広く担当。20代の働き方研究所では、企業へのインタビュー取材・取材記事執筆を担っている。
#カスタマーサクセス #コンテンツディレクション #イベントプロモーション #仕事終わりの晩酌が日課

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