20代の「働く」に
もっと自由な選択を

この記事をシェアする

  • SPECIAL
  • INTERVIEW
  • 就職・転職活動は自分自身をブランディングするということ。“天職”に出会うために必要なこととは【湖池屋インタビュー後編】
  • SPECIAL
  • INTERVIEW
  • 就職・転職活動は自分自身をブランディングするということ。“天職”に出会うために必要なこととは【湖池屋インタビュー後編】
2022.03.02INTERVIEW

就職・転職活動は自分自身をブランディングするということ。“天職”に出会うために必要なこととは【湖池屋インタビュー後編】

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.
株式会社湖池屋 マーケティング本部 マーケティング部 部長
野間 和香奈(のま わかな) 様


「ポテトチップス」や「カラムーチョ」「ドンタコス」といった誰もが知るスナック菓子ブランドを展開する湖池屋。近年は「湖池屋プライドポテト」などの新たなヒット商品を生み出し続けています。今回はそうしたヒット商品をはじめとした全商品のブランド管理の他、会社全体のブランディング戦略なども担当するマーケティング部 部長の野間さんにお話をお伺いしました。前編ではヒット商品を続出させる野間さんの経歴や仕事内容、そしてマーケティングの仕事に必要な力とは何かお話いただきました。後編では自分らしいキャリアを実現するためにはどうしたら良いのか、野間さんご自身のお考えを語っていただきます。

―どのような意識をもって、マーケティングの仕事を長く続けてらっしゃるのでしょうか

この仕事は「自己認知力」をどれだけ持てるかが問われています。ある場面に直面した時に、自分がどうなっているのか先読みする力と言えるかもしれません。言われたことをただ素直に受け止めて、指示通り仕事をするのではなく、指示した人がどんな背景があってその発言をしているのかを想像し、どんな場面になっても大丈夫なように事前準備をするようにしています。もちろん、私も20代前半からこうしたことができたわけではありません。

また、日々の仕事の中でどこに喜びを感じられるかも意識しています。マーケティング部に異動したばかりの頃は、商品の企画開発ではなくパッケージデザインや、販促品全般を担当していましたが、店頭での見え方などを考慮して、目に留まるパンチあるデザインや色になっているかを外部のデザイナーの方と一緒になって作っていました。デザイナーだけではなく、パッケージに載せる写真を撮るフォトグラファーや、印刷会社の方など、色々な人が関わる仕事でしたが、関わる人全員が満足できる結果とすることに喜びを感じていました。

「できる仕事」と「やりたい仕事」は異なります。好きな分野が「できる仕事」になるのが幸せなことです。たとえ「やりたい仕事」に就くことが出来たとしても、自分に適性がなければ非常に苦労します。「好き」や「興味がある」という気持ちがあれば、そこで自分なりの工夫ができて少しずつ周りからの信頼を得られるように思います。

「好きを追求してきた」とお話しましたが、私は貢献意欲が強く、自分のやった仕事が周りに良い影響を与えることができたかを考えるタイプですが、マーケティングの仕事はまさにホスピタリティが必要になると考えています。

―ホスピタリティが必要になる、というのはどういったことでしょうか

自分が提供できるものでみんながハッピーになってくれると嬉しいですよね。スナック菓子は皆さんが笑顔で食べるシーンが多いものです。そこへ貢献をする仕事ですので、ホスピタリティが大事になると感じています。

私は自分が好きなことを通じて、どうやって周りの人々を喜ばせることができるのかをずっと考えてここまで来ました。

―一方でそのように長く続けられるような仕事を見つけることも難しいのではと感じてしまいます

仕事というものは1日の中でも大半を占めるものです。繰り返しになりますが、私の場合、好きなことや、興味のあることでなければ続きませんでした。まずは自分の好きなことを見つけ、その先にどんな業界・仕事があるのかを考えることが良いのではないかなと思います。

就職活動で興味のあった食品業界で、お菓子が好き、マーケティングの仕事が好きでここまで来ることが出来ましたが、もし経理の仕事をしてくれと言われたら、途中で辞めていたかもしれませんね(笑)。

そうして考えると、まだまだ足りない部分はありながらも、好きな仕事をすることができているという点では、自分にとっては天職だと思います。
 


―天職と呼べる仕事に出会いたいと考える20代の読者もたくさんいるかと思います。どのようにしたら巡り会えるのでしょう

私が就職した時はどんどん高給取りになることが良しとされ、コンサル業界や金融機関の就職人気が高まっていました。ですが、給料だけでなく、自分の好きなこと、興味のあることに重きを置いて就職先を選んだからこそ、私としては幸せだなと感じることが出来ていると思います。一方で、今の20代の皆さんは「自分らしさ」を求められているのではないでしょうか。個性を活かして組織を強くする時代です。湖池屋でも同様に20代の社員の個性を尊重しています。

色々な観点で会社を選ぶことができる一方、まずはそういう時代であることを認識し、自分らしさや、自分の持ち味を見つけてみてください。自分の強みを活かしながら、心地よく、粘り強く働ける仕事が何かという観点で就職・転職先を見ていくのが良いと思います。

会社の規模感や年収額といったところだけに価値基準を置いてしまうと自身が本当に大事にしたいことを見失ってしまうかもしれません。実際にマーケティングの仕事をしていると、世の中の流行など色々な情報に触れる機会がたくさんありますが、特定の情報に流されるのではなく自分の軸をしっかり作り、それをぶらさないということが大切だと感じています。

―自分の強みや軸、芯となる考え方は、野間さんの場合はどのように見つけられたのでしょうか

与えられた仕事を120%で返すことを意識して、いつも一所懸命に仕事をしてきました。振り返ると、それが訓練となっていたように思います。中途半端な仕事ではなく、相手の期待にきちんと応えていく中で自分の軸が何かを見つけることができたように思いますね。

就職・転職活動とは、自分自身をブランディングすることと同義です。自分がどうありたいのかを考え、自分の強みと弱みの双方を理解して、この先を描くということです。

そのためにはとにかくチャレンジを繰り返すことに尽きます。打席に入る回数が多くなるほど、経験値が溜まっていき、今の仕事の良し悪しや、自分の強みや弱みが分かり、自分の現在地をきちんと認識することが出来るようになります。

人生の働く時間が占める割合は非常に大きいものですよね。だからこそ、軸や芯をしっかり理解し、できるだけ幸せでいられる比率を高められるようにしたいところです。好きなことに没頭できて、それでいて給料がもらえて、かつ周囲からも期待されたり、喜ばれることほど嬉しいことはありません。

―そうして自分の強みや軸を見出したとして、それを活かせる心地よい職場とはどのように見つけられるものでしょう

言うのは簡単でも、実際に見つけ出すのは難しいですよね。ただ、強みを活かせるかどうかは、最終的にはその会社で働く人々との人間関係によるところが大きいと思います。そして、それは直接出会ってみないことには分かりません。

そして選考を受ける企業の社員の方に何人か出会わせてもらったら、そこで感じた肌感覚、言い換えれば第六感を大事にしてほしいですね。仕事だけではなく、友人関係などでも同様ですが、自分と感覚の合う人とは成長しあえる関係になることができると思います。

これまでに築いてきた人間関係から、どんな人となら合うのかという肌感覚を思い出してみてください。人の印象は出会って15秒で決まるとも言われますが、面接・面談の中で自分と合致するかどうか感覚を大事にしてほしいと思っています。そして、自分がその中でチャレンジしたいと思えるかどうか、自分の気持ちを大切にしてもらいたいと思います。

―振り返ってみて、20代の時にこれをやっていたからよかった、といったものはありますか

私も20代の時はがむしゃらに仕事をしていました。今でもそうですが、おっちょこちょいな性格で、色々な失敗もしてきましたし、自分って何だろうと悩むこともありました。でも、不器用ながらに真摯に仕事に向き合い、逃げなくてよかったと思っています。

若い人を見ていて、迷っている人もたくさんいますが、迷って苦労を重ねて得られる経験もあると思います。それに、失敗をすると、失敗した人の気持ちもわかりますし、そうした経験をすると、周囲からのアドバイスをいただく機会も増えていきます。だから、私は若手のメンバーに対して、とにかく色々なチャレンジや経験を積むようにとアドバイスしています。









株式会社湖池屋
1953年創業。日本で初めてポテトチップスでの量産化を実現し「ポテトチップス」「カラムーチョ」などの数多くのロングセラー商品を生み出す。2016年10月1日、コーポレートブランドを再編し(株)湖池屋に統一。「新生・湖池屋」が誕生。翌年には自社のプライドをかけた新生・湖池屋第一弾商品として「KOIKEYA PRIDE POTATO」を発売。以降、スナック菓子の価値向上を目指し独創的な商品を次々に生み出し続けている。海外市場へも積極的に進出する他、北海道・南富良野町での森林保全活動『じゃがいも心地の森』など、環境保全事業にも幅広く取り組んでいる。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

1991年12月生まれ。
新卒で大手新聞社に入社。記者として取材・記事の執筆を経験後、Webサービスを手掛ける企業に転職。約20名のメンバーのマネジメントの傍ら、Webサイトの開発・サイトの集客プロモーション・取材やライティングを幅広く担当。20代の働き方研究所では、企業へのインタビュー取材・取材記事執筆を担っている。
#カスタマーサクセス #コンテンツディレクション #イベントプロモーション #仕事終わりの晩酌が日課

この記事をシェアする