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2023.09.27INTERVIEW

「日本の当たり前」から脱却して世界基準での考え方を身に付ける。スタートアップ×多国籍の環境でキャリアをスタートさせた20代の仕事観に迫る

20代の働き方研究所 研究員 T.I.
Kotozna株式会社
バイスプロダクトマネージャー
須田 詩織(すだ しおり)様

コロナ禍を経て、外国人観光客が増加。インバウンド需要が拡大するなか、今回お話を伺ったのは、多言語コミュニケーションサービスを展開するコトツナに勤務する須田さんです。コトツナでインターンシップを経験したのち、新卒で同社に入社。入社後約5年間で、マーケティング、製品開発、カスタマーサクセス、事業開発の4つの領域で横断的に従事されています。そんな須田さんのお話から、スタートアップかつ国際色豊かな職場で働く魅力を紐解きます。

スタートアップで「言葉の壁」の解消を目指す

―まずは、現在のお仕事内容を教えていただけますか

コトツナのインターンシップに参加し、そのままコトツナに新卒入社しました。入社当初から主にマーケティング、製品開発、カスタマーサクセス、そして事業開発と、4つの領域で横断的に従事し、今年で5年目となります。今はバイスプロダクトマネージャーとして、製品開発を主に担っています。

複数の業務を担うことになったのは、インターンシップに参加した時期が、コトツナの第二創業期だったためです。最初の製品をリリースした直後に、次の製品の開発に着手するなど、事業を拡大していくタイミングでした。特に、コトツナの製品は国内だけでなく海外にも展開して成長させていかなければならず、それに伴っていろんな業務が日々発生していきました。製品の機能改善、事業拡大の流れの中で、私の業務領域も拡がっていきました。

現在、メインで取り組んでいる製品開発の分野では、お客様の業界に合わせたサービスのブラッシュアップに取り組んでいます。例えば、市場調査を行ったり、お客様の持つ課題やニーズを特定して要件定義を行ったりしています。ユーザーが使いやすいように設計を見直していくことや、デザイナーと協力しながらUXの改善に取り組むといったことも私の業務です。

その他、プロジェクトのスケジュール管理や、利用規約に関すること、製品販売における各国のルールとの適合作業など、ひとえに製品開発と言っても、あらゆる分野に携わっています。

―コトツナが展開する言葉の壁へのソリューションサービスとは、どのようなものでしょうか

コトツナが展開するサービスは、大きく分けて2つあります。一つが、宿泊施設向けの多言語ソリューションサービス「Kotozna In-room」です。宿泊施設に訪れたゲストは、客室に置かれた二次元コードをスキャンするだけで、アプリのダウンロードなく、様々な情報を自身のスマートフォンで得ることができます。また、双方向チャットを活用した母国語同士でのコミュニケーションも109の言語に対応しており、内線電話やフロントでのお問い合わせ業務と、チェックイン時の案内業務における言葉の壁問題を軽減するサービスです。

2点目がChatGPTを活用した多言語AIコンシェルジュ「Kotozna ConcierGPT(コトツナコンシェルジュ)」です。24時間365日利用可能で、厳格なテストに基づいた正確で有用なレスポンスを、お客様の情報と使用言語に合わせて回答するチャットサービスです。

日本の企業にヒアリングすると、海外のお客様とコミュニケーションを取る時、まだまだ壁を感じるとの声が多くあります。この壁をコトツナのリアルチャットベースのカスタマーサポートツールで解消すること目的に、事業を展開しています。


会社の成長とともに広がった担当領域

―学生時代から、積極的な性格だったのでしょうか

大学1、2年生までは大学に行き、アルバイトをして、サークルに行って、という普通の学生だったと思います。転機があったのが大学3年生の時。アントレプレナーシップという、起業家を招いて考え方やマインドを学ぶ講座があり、そこで自分の人生観やキャリア観がガラッと変わりました。例えば、MITからヘッジファンドを起業した方や、完全自動のクラウド型3Dプリンターを開発した方のような、普通に生活していると接点を持てないような人の話を聞く機会もあり、そこで気づけたことがありました。

多くの起業家の考えは、自分の好きなことや得意なことをベースに、「社会の課題に自分はこれで貢献できる」「こんな社会を作りたい、だから起業して価値を提供する」というように、自分のキャリアにオーナーシップを持っていました。自分の人生の脚本を自分で書いているイメージです。

当時の私は、就活に際しても、自分の興味のある業界を探し自分に合いそうな会社を見つけるといった、もうすでにある脚本の中で歩むことに疑問も不満も抱いていなかったことに気づき、根本的に考え方が違うなと感じました。

こうして、アントレプレナーシップの起業家のように、世に価値を提供する存在となるためには、彼らと同様に自分の歩む道を自ら描くことが重要だと気づきました。この気づきが、私のキャリアの出発点であったと考えています。

―その気づきを経て、コトツナのインターンシップに参加されたんですね

アントレプレナーシップでも感じていたことですが、最新の技術や科学は基本的に英語で発信されるので、日本に入ってくるまで時差があったり、日本語に翻訳されるのを待っていると出遅れてしまうというケースが往々にしてあります。世界から取り残されてしまうような焦りを感じていました。

こうしたことを考えるうち、まだあらゆるものがガラパゴスだなと気づきました。例えば、Amazonは日本ではAmazon Japanが運営しており、日本のみのアカウントで、日本人向けに最適化されています。一方で、Amazon UKで作られたアカウントは、Amazon Franceにもログインすることができます。また、検索エンジンも同様で、日本で日本語を使って検索した場合、日本に最適化された情報のみが表示されます。しかし、地域を英語圏に切り替えて、英語で検索すると、日本とは全く違う検索結果になることが多くあります。

この情報の閉塞感を打破するために、コトツナのサービスは言葉の壁や文化の垣根を超えようとしていることに魅力を感じました。また、学生時代、語学学習アプリを使って海外の方々とチャットを楽しんでいたこともあって、チャットを活用したビジネスに可能性を感じていたことも、コトツナのインターンシップに参加を決めた理由の一つです。

―入社の決め手になったのはどのような点でしょうか

実際にインターン生として働いてみて、ここでなら自分が頑張ることができると感じたのも一つですが、「世界中の人たちが言葉の壁を感じることなく自由につながることができる」というビジョンに共感したというのが大きかったですね。あとは、学生時代から広く世界の文化や言語に興味があったので、英語だけではなく、中国語を使って文化やテクノロジーに触れる機会があるということも魅力的でした。

言葉の壁の解消に取り組んでいる企業をいろいろ調べた中で、コトツナの事業は一番先進的だと感じましたし、20代前半のうちに自分の取り組みたいことを一つ掲げようと思ったとき、言葉の壁という社会課題の解消に取り組むというのは非常に意義のあることだと感じ、コトツナに入社を決めました。

―入社後、4つの領域で幅広い業務をご経験されて、得たのはどんなものでしょうか

何よりまず、主体的な行動力が身についたことが大きいですね。少数精鋭の上、コトツナが展開するような多言語サービスは似たものが少ないため、常に自分で能動的に情報収集をして、リアルタイムで仕事に活かしていく必要があります。他社の新しいサービスがあれば実際に使ってみて参考にしたり、使い方がわからないときは、そのツールのFacebookコミュニティに参加して情報を集めたり、ほかの企業がどんなツールを使っているか聞いて回ったりと、行動力に自信を持てたことは、この先の人生でも大きな財産になると感じています。

また、ハードスキルとソフトスキルの両方で成長を感じられているというのも、幅広く経験を積ませてもらったおかげです。例えばデザインスキルであったり、BIツールを用いたデータの可視化スキル、動画制作のスキルなど、幅広いハードスキルを身につけることができました。それだけでなく、それぞれのスキルの相乗効果で、見栄えのいいチャートやグラフの見え方をデザインの知識から導き出せるようになったりと、すべてのスキルを並行して学んだからこそ、より多くの視点から業務を見ることができるようになりました。

ソフトスキルに関しても、社内には国際色豊かなメンバーがいて、それぞれが尊敬できるポイントを持っています。コミュニケーションが上手なメンバーの真似をしてみたり、各領域に従事するメンバーの仕事の仕方を別の領域の業務に取り入れてみたりと、複数の領域にまたがって従事しているからこそ、一足飛びで成長ができたと感じています。


世界基準で物事を考える

―スタートアップからキャリアをスタートさせるためには、どんなことが必要でしょうか

とにかく、迷ったらやる、というメンタルが必要です。スタートアップはとんでもないスピードで事業が展開していくので、そのスピード感についていくためには、自分のためになりそうなことには何でも取り組まなければなりません。入社一年目の頃を思い出すと、海外の起業家のピッチ大会に顔を出し、同じくピッチを聞きに来た人に話しかけてみたり、SNSのグループコミュニティに参加したりと、自分から情報を取りに行くアクションを積極的に行っていました。手足を動かして情報を得る活動は、3年目の頃には趣味になっていました(笑)。

あとは、自分の人生観やキャリア観など、抽象的なものをしっかりと言語化しておくことも重要です。組織で働くとなると、すべて自分の思い通りに事が運ぶとは限りません。でも、自分の所属する企業が目指すゴールと、自分の人生観・キャリア観とが重なり合う部分を見つけておけば、落ち込むことや思い通りにならないことがあっても、道を見失わずにいられます。

―本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に、国際的なビジネスに挑戦したい、スタートアップで活躍したいと考える20代の読者に向けて、メッセージをお願いします

やはり国際的なビジネスを展開するスタートアップは、成長志向かつスキル開発にも意欲的です。私自身、コトツナに入社して、想像以上に様々な業務に挑戦する機会がありました。今回お話させてもらった領域以外にも、セキュリティ関連の分野にも携わることができました。こうした幅広い業務を経験しながら、企業が成長していく姿を見られるというのが、スタートアップで働く魅力だと思います。

とくに多国籍のメンバーと働く環境は、「日本の当たり前」から脱却して世界基準での考え方が身に付きますし、最新のテクノロジーの知見を深めることができることも魅力の一つです。

「スピード感のある環境で成長したい!」や「英語でのコミュニケーションを身につけたい!」など、チャレンジ精神が旺盛な方は是非、スタートアップかつグローバルな環境に挑戦してみてください。


Kotozna株式会社
2016年10月設立。
「世界中の人たちが言葉の壁を感じることなく自由につながることができる」というゴールを見据え、宿泊事業者向けの情報発信・コミュニケーションツール「Kotozna In-room」や、24時間365日利用可能な多言語AIバーチャルコンシェルジュ体験「Kotozna ConcierGPT」などのサービスを展開している。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 T.I.

1995年5月生まれ。
新卒で食料品小売会社に入社。しかし小説家を目指して執筆活動を行っていた経験から、言葉でもっと人を惹きつける仕事がしたくなり一念発起。クリエイターとして就職情報会社に転職。以降、様々な業界の採用サイトやパンフレットの制作に携わる。20代の働き方研究所では記事執筆を担当。趣味はコーヒー豆の焙煎とラテアート。

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