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2023.12.13INTERVIEW

大手企業の法人営業からスタートアップのカスタマーサクセスへ。約1,000社を担当するチームリーダーのキャリア観とは?

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.
株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
産業保健事業部カスタマーサクセスチーム
佐藤 亮介(さとう りょうすけ)様


※所属はいずれも取材時点のものとなります。

産業医役務提供サービスと従業員の心身の健康管理をクラウドで支援する「産業医クラウド」を展開するメンタルヘルステクノロジーズ。「健康経営」の考え方が話題に上がる中、従業員が心身ともに健康であることこそ、生産性向上には不可欠だとして、同社のサービスにも注目が集まり、大企業を中心に約2,000社が導入しています。今回お話を伺ったのは、同社のカスタマーサクセスチームのリーダーとして活躍されている佐藤さん。大手企業から同社へ転職された背景や、「健康経営」の実現をサポートする同社のカスタマーサクセスの取り組みについてお話を伺いました。

成長できる環境を追い求めて、殻を破った転職活動

―半年ほど前にメンタルヘルステクノロジーズに転職して入社されたそうですね

(佐藤)新卒で日本ユニシス株式会社(現:BIPROGY株式会社)に入社しました。8年近くにわたって法人営業として勤務しており、営業活動の傍らSaaSサービスの企画やローンチなどにも携わっていました。

転機となったのは当社の取締役である松浦から声を掛けられてのことでした。実は大学時代の友人でもあり、面白い事業を展開している会社だと興味を持ちました。そこから転職に踏み切った理由は大きく二つあります。一つは新卒で入社した会社に8年ほど在籍していた中で、もっと成長できる環境に飛び込みたかったということです。そしてもう一つは当社のミッション・ビジョン・バリューに強く共感したためでした。

―前職でもいろいろな経験をされていましたが、それ以上に成長できる環境に身を置きたかったというのは印象的です

(佐藤)転職したのは3年がかりのプロジェクトをやり遂げた年でした。それだけ大きなことでしたので達成感もありましたが、次にどんなことに挑戦しようか考えた時に、同じくらい達成感が得られそうなものが見当たらなかったのです。そうしたこともあって転職をしたいと思いました。

―中には大手企業でのほうが安心してキャリアを築けると考える方もいるかもしれません

(佐藤)今後のキャリアについて考えた時に、自分自身をもう一度見つめなおすことにしました。そこで、やはり自分は何かにチャレンジし続けていきたいということや、その過程でより大きく影響を及ぼせるような人になりたいと思ったんです。そして、そのためには何か殻を破るようなことをしないといけないと考えました。

また、ちょうど子どもが生まれた時でもありました。父親が何か不満やモヤモヤした気持ちを抱えながら働いているとすれば、それはちょっとカッコ悪いと思ったんです。

学生時代も部活動でキャプテンを務めた経験があって、常に前の世代よりもより良い結果を残したいという気持ちを持ち続けてきました。それはキャリアにおいても同じで、現時点で出来ないことを、今後出来るようにしていきたいという気持ちは強く持っていました。

そして当社にはコアバリュー(行動指針)の一つに「MOVE FORWARD 前へ、毎日0.1%でも」を掲げています。それに共感する組織で、常に前に進み続ける環境で働いてみたいと考えました。

―先ほどの転職動機の一つにも、ミッション・ビジョン・バリューへの共感があったと話されていました

(佐藤)様々な働き方が生まれているとはいえ、働く時間は人生の大半を占めるものです。それなら、少しでもイキイキと働けるようになった方が良いと常々思っていました。だからこそ、そうした状態を実現するために自分が少しでも貢献したいと考えていましたので、医療健康問題の解決を通じて、「イキイキ働く環境」を創り続けるという想いの込められた「幸せをリデザインする」というミッションや、「ウェルビーイングのスタンダードを創る」というビジョンに共感しました。

―それにしても、規模の異なる会社への転職に不安はなかったのでしょうか

(佐藤)「自分の実力が通用するのか」という不安はありました。8年近い社会人経験が、フィールドが変わることで全く通用しなかったとなっては、お声がけしてもらって入社していることもあるので、非常に申し訳なくもありますよね。ただし、働く環境面などへの不安はあまり感じませんでした。

―全く異なる会社に転職するとなると実力が通用するかは気になりますよね

(佐藤)現時点では通用している部分と通用していない部分と半々といった感覚です。体系的にものごとを考えて仕事を進めることや、メンバーに指示を出すといったことは前職での経験が活かせているように感じていますが、スタートアップならではのもっと柔軟に、機動的に対応していくという面ではもっと頑張らないといけないと思っています。
 
 

数多くの企業と向き合うポイントは「ホスピタリティと効率化のバランス」

―そして現在はどのような仕事をされているのでしょうか

(佐藤)カスタマーサクセスチームに所属していますが、概ね5割がカスタマーサクセス、2割が営業、3割がチームを横断した業務といった比率で仕事をしています。

当社ではエンタープライズ企業はコンサルティングチームが担当し、中堅・中小企業をカスタマーサクセスチームが担当するという組織編制になっていますが、現在、約30名のスタッフでクライアントの対応をしています。

そして私のチームメンバーは採用・異動などもあるので時期によってやや変動はありますが、概ね5名ほどで構成されており、他部門と協力しながら約1,000社の案件に対応しています。

―カスタマーサクセスチームは社内でどのような役割を果たされているのでしょうか

(佐藤)私たちの役割としてはクライアントに当社のサービスを使い続けていただくことにあります。そしてコンサルティングチームや営業と連携し、アップセルができるようにトスアップしていくことがミッションです。

営業が受注したのち、案件がチームに回ってきますのでサービスを使い始めるときの立ち上げからスタートします。各種設定などもそうですが、うまくサービスを活用していただくために具体的にどのような手順を踏めばいいのかをレクチャーしていきます。その後は問い合わせなどに対応していくイメージです。

―クライアントからはどのような問い合わせや相談が多いのでしょうか

 (佐藤)私たちは企業の総務や人事部門の方と仕事することが多いですが、中堅・中小企業の中には他の業務を兼務していることもあり、例えば産業保健についてや、産業医をどのように活用していけば良いのか専門的な知識を持っている方はそう多くはありません。そうすると、そもそも何から始めて良いのかわからないという相談も寄せられます。

また、コロナ禍を経て、産業医に対しての考え方も変わってきています。従来は法令に基づいて設置しておけば良いという考え方もありましたが、リモートワークでのメンタル不調などの事例もあるように、従業員が健康的に働くためにどのようにしていけば良いのかという相談もあり、かつてと比べると内容が高度になりつつあるように感じています。

―そうした高度化していく相談に対応するカスタマーサクセスにはどんなやりがいや、仕事の面白さがあるのでしょうか

(佐藤)他の企業のカスタマーサクセスと同様に、クライアントに伴走して課題解決をすることのやりがいはあるのですが、メンタルヘルステクノロジーズではさらに「ホスピタリティと効率化のバランス」をいかにうまくとっていくのかがポイントです。

先ほどの通り担当している企業数は非常に多いです。さらに相談の内容も高度化しつつあります。1社1社に時間をかけて向き合っていきたいところですが、それだけたくさんの会社が従業員の心身の健康に向き合っているということですので、対応しきれなかったということがあってはなりません。ホスピタリティも大事にしつつ、それぞれに向き合えるよう効率も重視した取り組みをしていくことは、他の会社では得がたいやりがいだと思っています。

より多くの企業に当社のサービスを使っていただき、その結果、もっと多くの人がイキイキと働ける社会を目指していますので、寄せられる問い合わせや相談に単に回答するだけではなく、その対応を効率化しつつ、クオリティを上げていくためには何が必要かという視点も併せ持たなければいけないのです。マーケットの動きが非常に激しい業界なので、やり方に固執せず常に変わり続けていきたいですね。

―マーケットの動きが非常に激しいのですね

(佐藤)一例をあげると、昨今ではESG投資が話題となったり、そもそも労働人口の減少などもあって徐々に従業員の数が不足している企業も出ています。そうなると、いかに健康的に働き生産性を上げてもらうか、また、仮に病気などになっても元通り復職できるようにどんな取り組みをするか、といったことが重視されています。

先ほどの産業医をどのように活かすかということに加え、例えば国が推奨している産業保健師とチーム体制で対応していく考え方や、リワーク施設の登場など、いろいろなアプローチ方法が出てきました。そうした動きについていき、少しでも早く取り入れてクライアントの課題を解決していく必要があると思っています。

―上場企業の中には人的資本の情報開示義務を受けて健康経営などをより強く意識されているところもあるそうですね

(佐藤)そうですね。エンタープライズ企業を担当するコンサルティングチームには「自社の従業員の健康増進の取り組みとSDGsと人的資本経営をどのように関連付けて対外的に発信していけば良いのか」といった相談もあったと聞きます。そうしたことも最近は増えてきました。
 
 

「チーム」として成果を上げ、もっと大きな影響力をもてる人材へ

―より成長できる環境を求めて転職されましたが、今後のキャリアの展望や目標などがあれば、教えてください

(佐藤)転職して日が浅い中ではありますが、個人ではなくチームでしっかりと成果を上げられるようにしていきたいと考えています。成果が出て認められれば嬉しいですし、できなければ努力し続けなければなりません。

―「個人」ではなく「チーム」なのですね

(佐藤)より大きな範囲に影響を及ぼすようになりたいと考えていますので、個人としてスキルアップをしたら、次はチームメンバーがもっとスキルアップできるようにリードし、成果を出していきたいと思っています。そして徐々にその影響範囲を大きくしていくことで、ひいては株主にも良い報告ができるようになれるかもしれません。その分、責任も大きくはなりますがやりがいも感じられるようになると考えています。

―ここまでお話いただきありがとうございました。これから就職や転職などキャリアを考える読者に対し、成長するために転職に踏み切った佐藤さんから、メッセージをお願いします

(佐藤)キャリアを考えるうえで、最も重要なことは自分なりのゴールを定めることだと思っています。今はたくさんの情報にあふれ、働き方だけではなくお金の稼ぎ方も多種多様です。あれも良いな、これも良いなと目移りしてしまうこともあると思います。

自分に置き換えても大手企業からスタートアップ企業へ転職したわけですが、企業の規模はあまり関係ないと思っていて、いかに自分の考えに合うかが大切です。だからこそ、仮でも良いので自分なりの軸を定めてみてはどうでしょうか。若いときにそんな軸が定められれば、きっとそれに向けて努力したり、がむしゃらに働くことができると思います。その取り組みは、やらされてやるわけではないので、納得感も得やすいと思いますし、ひいては自分の望むキャリアの第一歩につながっていくことだと思います。

私は20代前半の時には軸と呼べるものはありませんでしたが、振り返って当時やっておけばよかったことは、自分の所属するコミュニティ以外のところにどんどん出ていくということです。同質的なコミュニティにいると快適に感じるかもしれませんが、出てみることで自分の不足していることや、反対に強みに気づけるのだと思います。

今は、SNSでグループなどもたくさん立ち上がっていますし、ビジネススクールや、オンラインサロンなど、交流する場は探せばいくらでも出てくると思います。あとは飛び込めるかどうかだけです。ぜひ、新しい世界に飛び込んでみてほしいですね。

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
2011年3月設立。2022年3月に東証マザーズ上場(現在はグロース市場に移行)。厚生労働省が提唱するメンタルヘルスケアをもとに健康経営を促進する「ELPISシリーズ」のほか、同シリーズをパッケージ化した「産業医クラウド」などのサービスを展開。導入企業数は2,000社、導入事業者数は10,000を超える。『ウェルビーイングのスタンダードを創る』をビジョンに掲げ、イキイキと働ける職場づくりのために事業を推進しています。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

1991年12月生まれ。
新卒で大手新聞社に入社。記者として取材・記事の執筆を経験後、Webサービスを手掛ける企業に転職。約20名のメンバーのマネジメントの傍ら、Webサイトの開発・サイトの集客プロモーション・取材やライティングを幅広く担当。20代の働き方研究所では、企業へのインタビュー取材・取材記事執筆を担っている。
#カスタマーサクセス #コンテンツディレクション #イベントプロモーション #仕事終わりの晩酌が日課

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