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2023.11.15INTERVIEW

敬語の使い方から勉強しなおし、20代でセールスマネージャーへ。注目企業の営業職としてステップアップできた理由とは?

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.
ナイル株式会社
自動車産業DX事業部
セールスユニット
マネージャー
佐藤 健亮(さとう けんすけ)様


創業時よりインターネットを活用して2,000社を超える企業のマーケティング活動を支援し続けているナイル株式会社。近年はデジタルの力で顧客の事業に付加価値を創出することにも力を入れており、SEO/Webコンサルティングのサービスを中心とした『DX&マーケティング』、マイカーのサブスクリプションサービス
おトクにマイカー 定額カルモくんを運営する『自動車産業DX』、月間利用者1000万人超の自分にピッタリなスマホアプリが見つかるApplivなどのメディア開発・運用を手掛ける『メディア&ソリューション』の三つの事業を展開し、成長を続けています。今回お話を伺った佐藤さんは20代でセールスマネージャーに就任。入社当初は仕事が順調ではなかったと言う佐藤さんが、どのようにして成果を出せるようになっていったのか、そしてマネージャーとして意識していることは何か、取材しました。

畑違いの業界からの転職。約10名を束ねるマネージャー

―まずはご経歴について伺います。佐藤さんはナイル株式会社に中途入社されたそうですね

(佐藤)新卒ではウォーターサーバーの個人向け営業を2年経験し、その後、ナイル株式会社に転職しました。当時は複数社から内定をいただいておりましたが、当社の選考がもっとも話がしやすかったことを覚えています。雑談を交えながら緊張を解いてくれて、いろいろな質問がしやすい環境を作ってくれました。

また、当社では内定時に「オファー面談資料」というものを作っています。入社から24ヵ月先まで、どのようなキャリアを築いていってほしいかを個人別にカスタマイズして示したものですが、それによって働くイメージがクリアになり、入社を決意しました。

―新卒からずっと営業職としてキャリアを積まれているのですね

(佐藤)当時は営業職に強い興味があったというよりも、「お金を稼ぎたい」という気持ちが強く、インセンティブが支給される仕事だからという理由で選んでいました。

―入社以来、「自動車産業DX事業部」に所属されていると伺いました

(佐藤)はい。入社1年目は一人のセールスとして、「おトクにマイカー 定額カルモくん」に申し込まれた方にマイカーリースのご提案をしていました。そして1年半ほど経ってリーダーとなり、メンバーの育成を担うようになりました。各メンバーがリーダーと同じように成果を出せるようにすることがミッションでしたが、そこでの働きも認められ、マネージャーに就任しました。

マネージャーとしてはどのような仕事に取り組まれているのでしょう

(佐藤)業務は非常に多様です。セールス全体を俯瞰し、業務遂行のボトルネックとなっているポイントを見つけ改善していくことはもちろん、セールス活動の効率化に向けた取り組みもしています。そのほか、事業のKPIの見直しや、営業戦略の立案なども担っています。そのほか、自部署の採用面接、アライアンス先との打ち合わせなども行います。弊社では30名ほどの規模の部署を3名のマネージャーが管轄しています。

契約意思が全くないことも?マイカーリースを提案する仕事とは

―セールスの仕事の詳細を教えてください

(佐藤)定額制のマイカーリースを考えられている方が当社のサービスに申し込まれるので、BtoCの形式の営業となります。カーリースの費用をきちんとお支払いいただくことが前提となりますので、しっかりと審査を行い、通過された方に電話でリースの提案をしていきます。

―審査通過された方への提案となると、成約率は高そうです

(佐藤)確かに当社のサービスサイトからお申し込まれた方は契約意欲も高いのですが、広告からのお申込みの場合、他のサービスと検討されていたり、そもそもマイカーを持つ意思が固まっていないこともあります。そのため、トントン拍子で提案が進むものでもありません。

―契約するかどうか決めていない方もいるのですね

(佐藤)そうなんです。ただし、審査への申し込みは勤務先情報や年収を入力するなど、少し手間のかかる作業です。そうしたことをされているということは、薄っすらとであったとしても契約意欲があるかもしれません。そうした時にはできる限りその方から深く話を聞き出していきます。そのため、一定の営業力がなければ成り立ちません。
 
 

敬語の使い方も、車の知識も心配される「新卒レベル」から成果を上げるセールスへ

―着実にステップアップされていますが、入社当初は苦労されたのでしょうか

(佐藤)概ね3ヶ月くらいで独り立ちするのが一つの指標となっていますが、私の場合は立ち上がりが遅く半年ほどかかりました。それに、お客様を任せていただけるようになったとはいえ、当時は「本当に任せて大丈夫なのか?」と心配されていたと聞いています。

―立ち上がりのころは心配されることもあったんですね

(佐藤)新規営業ということもあり、割と押しの強い営業をしてしまうことがありました。ただ、実際にはインバウンド型の営業ですのでニーズを丁寧に聞かなければなりません。また、BtoCの営業経験はあったものの、お客様と打ち解けることが重要な対面販売の前職と、顔の見えない電話での営業とではスタイルが異なります。これまであまり言葉遣いを気にしたことがなかったので、そうした点も不安要素になっていたようです。

そうしたこともあって、実はこの会社で最初に学んだことは敬語の使い方でした(笑)。OJT担当の先輩社員からは「新卒レベル」と言われていたくらいです。タメ口の押しの強い営業から脱却していくように指導を受けていました。

―お客様を任せられるようになってからはどうだったのでしょうか

(佐藤)心配されていましたが、始めてみると他の社員よりも成約に結び付く率が高く、きちんと成果を出すことができました。もともと敬語がしっかりできれば、それなりに結果を出すことができるだろうと思っていたこともありますが、お客様に対してきちんと自分の意見を伝えることを意識したことで、結果がついてきたように思います。

―自分の意見を伝えることがポイントになったのですね

(佐藤)BtoCの営業、それもまだマイカーを持つ意欲が高まっていないような場合、潜在的なニーズを聞き出していかないといけません。「自分だったらこう思うけれど、お客様はどう考えられますか?」という問いかけをすることで、より深いヒアリングができ、信頼いただけるようになったと考えています。

―ちなみに、お客様とはどんなやり取りをされているのでしょうか

(佐藤)例えばお客様が軽自動車の「スーパーハイトワゴン」をご希望だとします。なぜスーパーハイトワゴンが必要かと聞くと、お子さんがいて、家族みんなで乗れるようにしたいと仰るわけです。通常であれば、「それならご希望の車種がオススメです」と返答すると思います。

そこでは終わらせずさらにヒアリングしてみると、お子さんはまだ小さく、車にも強いこだわりがあるわけではなく、できればリース価格は安く抑えて、燃費が良ければそれで良いと回答がありました。

それであれば、スーパーハイトワゴンではなく、通常の軽自動車にすることでリース価格も抑えられますし、燃費だって良くなります。そこで「ご家族のいる方にはスーパーハイトワゴンは人気ですが、お客様の生活スタイルやお車を選ぶポイントからすれば、スーパーハイトワゴンである必要はありません。どう思いますか?」と問い掛けるのです。

お客様の発言をそのまま鵜呑みにするのではなく、リースする際の優先順位や生活状況などを踏まえて、「本当にお客様の希望通りで良いのだろうか?」と一度立ち止まって考えてみることが大切だと思います。

加えて、分からないことをはっきりさせることも大事だと思っています。例えば、商談の最後に、お客様から「検討します」と言われたときに、検討事項が何かわかっていないまま「ご検討よろしくお願いします」と返してはいけません。金額や車種、デザインなども検討材料になることがありますが、それが分かっていればこちらかもお客様に最適な情報提供やフォローができるようになります。

―車についても全般的に知識が必要になりそうですが、もともと好きだったのでしょうか

(佐藤)いえ、実は入社時点では車の知識はまったくありませんでした。先ほどの「スーパーハイトワゴン」や「ステーションワゴン」というのはボディタイプのことですが、それすらもよくわかっていなかったんです。入社して間もなくのころ、お客様からの電話で「ミニバンを検討しているのですが…」と問い合わせがあった際、あたかもミニバンという名前の車があるものだと思って、先輩に「ミニバンはどこのメーカーから出ている車でしょうか」なんて聞いたこともあったくらいです(笑)。

その程度の知識しか持ち合わせていなかったので、当時は弊社代表からも心配されてしまい、「さすがにこれではマズい」と思って各自動車メーカーからパンフレットを取り寄せて、1車種ずつ勉強していきました。

―言葉遣いに始まり、いろいろな学びを深められたのですね

(佐藤)自主的に学ぶことは必要不可欠でした。ただ、学びに対しては会社も積極的に支援しており、現在は学習支援制度として、書籍の購入やセミナー参加などを目的に月1万円まで補助がでるようになっています。学びに積極的な社員が多いこともあって、自分も取り組もうと思いました。
 
 

重要なことは徹底的に論理的であること、そして、価値観を押し付けないこと

―マネージャーとしてどのような指導をされているのでしょうか

(佐藤)いまはマネージャーですので、主にリーダーレベルの社員への指導をしています。週に1回の1on1面談を通じ、KPIに対する進捗はもちろん、それぞれがいま取り組むべきことや、取り組みたいことを整理していっています。セールスの部署ですので、最終的には売上目標をクリアできるかどうかが重要ですが、進捗が悪い場合には課題を一緒に発見し、次のアクションを見つけていくようにしているイメージです。

課題のあるチームに対しては「なぜその課題が発生しているのか」ということを、とことん深掘りしていきます。そして原因を明らかにしていき、解決策をどんどんアドバイスしていって目標達成に導いていくようにしているのです。

もっと具体的にいうと、例えばKPIに対して15%進捗が足りていない場合には、その原因を確認したうえで、どんなアクションをとるのか聞いていきます。目標との差分を埋める施策を論理的に説明できるなら問題ないかもしれませんが、仮にうまく説明できない場合にはまだまだ思考が不足しているかもしれません。そこをフォローしていくのです。きちんとした論理性に基づいて生まれた解決策であれば、あとからその施策が良かったのかどうかも判断できますし、良いものであれば再現性を持たせることもできます。

―論理性を非常に重視されているのですね

(佐藤)メンバーとして営業活動をしていたころの上司は、非常に論理性を重視しており、曖昧な回答を良しとしない指導をされていました。私もそれに共感していましたし、そうしたコミュニケーションに基づく指示は非常に納得感のあるものでした。そこで、その上司には、ものごとをどのように捉えたら良いのか、どうしたらそのような考え方に至れるのかを聞いていき、反復することで身に着けることができたように思います。

―メンバーレベルの社員への指導についてはいかがでしょう

(佐藤)リーダーレベルの社員と共通する点もありますが、「自分で考える」ことを習慣づけられるようにしています。入社したばかりの社員には業務の基礎知識などのティーチングも大切ですが、ある程度の期間が経った後は、コーチングを重視しています。現状に対してどのように改善していくのかまずは自分で考えてもらい、上司である私は質問を投げかけるなど、自身で考えることをサポートするようにしています。誰しも伸び悩み時があると思いますが、その原因や解決策を上司から提示するだけでは自走できるようになりません。

―具体的にはどんな原因で伸び悩むことがあるのでしょう

(佐藤)当社だけではないかもしれませんが、自分の価値観を押し付けすぎてしまうことが多いように思います。営業職はあくまで相手のニーズありきですので、まずはお客様が何を求めているのか丁寧に聞き、そのうえで自分の意見や考えを伝えないといけません。当たり前のようですが、意外とできていないこともあるものです。

また、自走するということと、自分の意見だけを貫き通すということは別物です。会社に雇われている以上、会社から与えられているミッションをクリアするための行動をとらなければなりません。

そのため、まずは仕事にはどのように向き合わなければならないのかをきちんと伝え、納得したうえで、自分の行動がお客様や会社のためになっているのかを一緒に見つめなおすことが指導の第一歩になると考えています。

―佐藤さんのこれからの目標について教えてください

(佐藤)当社では事業部間の交流や異動がさかんに行われています。「フミダス」という部署異動が100%叶う制度があり、いろいろな事業部、ユニットを経験することで、より視野を広げられるようになっています。こうした会社の取り組みは活用していきたいと考えています。

目の前の2~3年はマネージャーとして圧倒的な成果を出せるように邁進していきたいと考えていますが、その後は例えばマーケティングについて学び、よりセールスが受注できるような仕組みを作っていくといったキャリアを築いてみるのも面白いのではと思っています。

―ここまでお話いただきありがとうございました。読者へのメッセージをお願いします

(佐藤)まず、営業職という仕事に興味を持って、就職・転職活動をされている方にお伝えしたいことは、自分が気になった企業にはまず応募してみてほしいということです。そして、書類選考が通過したらぜひ、企業の担当者と会ってみてください。実際に話を聞いてみないことには、どんな会社なのか、どのような姿勢で営業に取り組んでいるのかはわかりません。また、これは営業職に限りませんが、どんな人と働くのかは企業選びにおいて重要なポイントです。書類選考を通過したということは、企業もあなたのことを何か気になっているはず。ぜひ一度、コミュニケーションをとってみてください。たとえ面接が不合格になったとしても、きっと得るものはあるはずです。

そして、既に営業職として働かれている方や、働くことが決まっている方にお伝えしたいことは、繰り返しになりますが自分の価値観に固執しすぎないことが重要です。営業はヒアリングや、ニーズの深堀りは当たり前のこととされていますが、固定観念にとらわれてしまうとうまくいかないことがあります。もしいま、営業成績が伸び悩んでいるという場合は、まずは一回リセットして自分の価値観に縛られていないか見直してみてください。

ただし、自分の価値観を完全に捨てきるというのは簡単なことではありませんよね。私もそれはできません。そうした時は、まずは自分の意見を相手に伝えつつ、相手の意見も尊重するということを意識してみてください。そうすることで、きっと結果がついてくると思います。

ナイル株式会社
2007年1月15日設立。コーポレートビジョンに「日本を変革する矢」を掲げ、企業のマーケティング活動および、産業のDX化を促進し、広く社会課題を解決し続ける。創業以来、連続して売上成長を達成。また、総額65億円超の資金調達を実現している。日本経済新聞社「NEXTユニコーン調査」にて選出(2022年)、デロイト トーマツ グループが主催するテクノロジー企業成長率ランキング「Technology Fast 50 2022 Japan」にて成長率99.4%を記録しランクインするなど、高い注目を集めている。

この記事を書いた人

20代の働き方研究所 研究員 Y.S.

1991年12月生まれ。
新卒で大手新聞社に入社。記者として取材・記事の執筆を経験後、Webサービスを手掛ける企業に転職。約20名のメンバーのマネジメントの傍ら、Webサイトの開発・サイトの集客プロモーション・取材やライティングを幅広く担当。20代の働き方研究所では、企業へのインタビュー取材・取材記事執筆を担っている。
#カスタマーサクセス #コンテンツディレクション #イベントプロモーション #仕事終わりの晩酌が日課

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